偵察飛行にでたF15が戦時中にタイムスリップ。戦闘機から見た光景の描写がうまいです。ラストが印象的です。文章うまいです。戦争について考えさせられます。
過去の延長線上に現在の僕らは居る。だから、同じ日本人なのだけれど、顔を突き合わせて会話してみると、こうも考え方が違うんだな、と改めて気づかされます。タイムスリップものだから、こうやって比較できて、戦争や歴史について勉強不足な僕にも分かりやすい。結末は、とても印象的です。昔の彼らよりは「戦争は愚かしいな」って思っている反面、武器はきっちり研ぎ澄ましている、そのモヤモヤが余韻になって、いろいろ考えてしまいます。
hiro1969さんの文章なのかと思ったくらい他の作風と毛色が違くて、のびのびと書いて読みやすい小説。よほど書きたかった文章なのではないだろうか?
タイムトラベル。架空のお話ではありますが、当時の日本人ならやりそうな方向へ話が展開してゆくのが、歯痒いというかやるせない感じでした。ラストは賛否両論あると思いますが、栄光なき英雄たちが時代を支えているのを表すよい終わり方だと思いました。