これくらいの文量に、俺の人生ちょいと賭けて
半熟グラビトン
第0話 まだ本気出してないだけ。
お、はじめまして。
いや、もしかして「二度目まして」か?「三度目以上まして」だったらめちゃくちゃうれしいな。そんな言葉が存在しているのかは知らんけど。
とにかく、この挨拶文が目に入っているってことは、俺の小説を読んでみようって気になって、わざわざ開いてくれたってことだ。ありがたいねえ。
俺の名前は高橋タカシ。28歳独身。しがない会社員だ。仕事が終わったらどっかで安い定食を食べるかコンビニ弁当を買うか…、まあそれはそのときの気分次第だ。腹を満たしたあとは、ツイッターをぼんやり眺めながら酒を飲んだり、ゲームをしたりして…そんで12時ころになったらそろそろ寝ないとなって思いながら布団に入る。6時半には起きて、シャワーを浴びて、朝飯は食わずに歯磨きをして会社に向かう。これを週に5回繰り返して生きている。土日は仕事に行くか、寝てるか、ゲームしてるか…、そのどれかは日によるけれど、おおむねそんな感じの人生を送っている。つまり、たった400字前後で語れる程度のうっすい人生ってことだ。
それでさ、最近思うわけよ。
「俺の人生、これでいいのか?」ってな。
別に満足していないわけじゃないよ。生きてはいけるし。ゲームは好きだし。金にも困ってないしさ。でもこの年になると、学生時代の友人たちはやれ結婚だ、出世だって人生のステップを順調に進んでいくわけでしょ? それと比べちゃうとどうもね…、疑問が湧いてくるわけだ。「あれ、俺ってもしかして一生このルーティーンを繰り返して生きていくのかな」って。
「じゃあそれを変えるために何か努力すればいいじゃん」その通りだよ。
だから俺はこうして小説を書くことにした。
実は俺、大学時代は文学部で過ごしたんだ。はいそこ「どうせ’’あそぶんがく部’’だろ」なんて言わない。図星だから。
まあ、理由付けなんて、本当はどうでもいいんだ。ただちょっと有名になって、自分の書いた小説が映画化されちゃったり、テレビで取り上げられちゃったりしたらさ、「ああ、生きててよかったな」って思えるでしょ。そんなことを夢見て、こうやって筆を執ってみた。いままでだっていろいろ挑戦したよ。動画投稿をしてみたり、生放送をしてみたり、漫画を書いてみたり…。でもそのどれもうまくいかなかった。…いや、うまくいくとか以前に、続けられなかった。中途半端に投げ出した。
今回はきっとうまくやるさ。がんばるよ。だから、よろしくな。
これくらいの文量に、俺の人生ちょいと賭けて 半熟グラビトン @Hanjuku-Graviton
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。これくらいの文量に、俺の人生ちょいと賭けての最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます