第26話 vsオーガ1

 オーガの戦闘力が高いと言ってもカエデとのステータスの差は埋められない。

 1撃で終わってしまうようなそんな戦闘になる。


 それでは自分の戦闘技術の無さが後で死を招く可能性がある。


 苦手なことは克服しなければいけない。


 ならどうするか。


 武器のグレードを下げる。


 つまり、愛用している短剣の出番だ。


 この短剣はオーガの大きさに対して決定打を与えることはできないし、オーガの皮膚は硬い。

 短剣よりもと言うわけではないが、無茶をすれば折れる。何年も使っているのだから、当たり前ではある。

 そのため短剣が折れないように注意しながら戦わなければならない。さっきのようにスピードでゴリ押しをしようものなら短剣は折れる。


 パワーでやろうとしても結果は同じだ。


 そのために使う、技を。


 『血姫』を納刀し、短剣を抜く。


 オーガは吠える。自分が勝つとでも言うように。


 両者が駆け出すのは同時だった。


 だが、オーガの方が攻撃範囲が広い。そのため、先制はオーガになるのが必然だ。


 オーガはカエデに向かって拳を振るう。


 カエデは受け流そうと考えたが、そんなことをすれば技術がないため吹き飛ばされる。


 なので回避。最小限の動きで回避をする。

オーガの腕が横を通る。その時に短剣を叩きつけるのではなく、撫でるようにして小さな傷をつける。

 

 オーガはすぐに手を引っ込めた。

 だが、傷はついた。気にするほどの傷ではないけれど確かにオーガから血は流れた。


(このままやっていれば勝てる!)


 カエデは確信した。そして、そのまま駆け出す。狙うのは足。足をたくさん傷つけ、ダウンを狙う。とりあえず傷をたくさんつける。


 走る速度を自分で操作できなければ意味がない。そのため、マックススピードを出さず、まずは10%くらいのスピードを出す。


 手首を柔らかくし、オーガに当たった時、短剣に負担のかからないような切り方ができるようにする。


 オーガは抵抗してきたが、余裕を持って回避をし、そのまま攻撃してきた部位に傷をつける。


(慣れてきたなぁ。もう少しスピード上げるか)


 数分同じことを繰り返していたカエデは最初に出していた速度に慣れていた、そのため、スピードを上げることにした。3割くらいの速度を出す。


 1割の時は反応できていたオーガだが、3割にしたら、反応出来なくなってしまったためにカエデをひるませれば一撃を喰らわせられる、と考えたオーガはスキルを使う。


 『咆哮ほうこう』、大きな声を出して、一時的に怯ませる。という効果を持つ。


 

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神からもらったスキルは異常でした 楽善 @NiKaZ

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