第2話 廻間
「こんばんは、ここの管理人です。皆さんにはここで当分生活していただきます。」
4人はポカーンだった。それそれは唖然とした。
あたりまえだ、急にこの家に来て生活しろなど、何を言ってるんだこのババアと言う言葉は伏せていたが皆んなそんな表情だった。
あまりの唐突な発言、沈黙を破ったのは僕だった。
「ど、どういう事ですか?ここはどういう場所なのですか?もっと詳しく説明してくれないと分からないですよ!?」
そういうとおばあさんは表情を変えずに言った。
「そうよね。でも詳しい事はまだ言えないの。ただ、これからやるべき事、いや、これからの生活について説明はするわ。」
皆んな不安、というか怒っている?ような表情で黙ったままだった、否、言葉を発せずにいた。
そんな僕たちを気にする様子もなく続けておばあさんは口を開いた。
「まず明日から学校に通ってもらうわ。高校、高校三年生の同じクラス。でも、安心して頂戴、クラスのみんなはあなた達のことをクラスメイトと思っている。元からいたような設定になっているわ。」
設定ってなんだよ設定って!やっぱり異世界???
「他は自由、恋愛しても友達作ってもなにしてもいい、食べ物は近くにスーパーもコンビニもあるわ。お金は毎日この共同財布に入れておくわ、みんなで協力して生活してちょうだい。学校に必要なものはあなたちが起きた各部屋に準備してあるわ。」
「おばさん!訳わかんないんですけど!なんであたし達なの!?ここはどこなの?意味わかんない!」
りあがものすごい形相でおばさんに詰め寄る。
しかし、表情も変えず優しい表情のままだ。
「ごめんね、詳しい事は絶対言えないの。一個だけ言えるとしたらここは廻間。時が来たら全て説明するから。とりあえず4人で協力して生活してちょうだい。時々説明することがあれば顔出すので。では。」
そう言って困惑している僕たちを尻目に玄関へと歩いていった。
玄関に手をかけた時何かを思い出したように振り向き言った。
「今の状況は他人には言わないこと、言っても意味がないから。」
おばさんはどこかへ行った。何故か安堵した、緊張から解き放たれた。しかし、いろいろな感情が自分を駆け巡っている。そんな異様な空間。
「とりあえず訳わかんないけど、悩んでも意味なさそうね。とりあえずおばさんのいう通りにしましょう。当分であって一生とは言ってない。いつか絶対帰れると思うから。」
やはり最初に口を開いたのは智美だった。すごく頼もしい存在だ。普通なら折れていてもおかしくない状況なのに……。
僕を含め他の三人もその言葉を信じるしかなかった。その日は寝ることにした。
しかし僕はなかなか寝付けず一階の冷蔵庫に飲み物を取りに行った。
するとソファーにミキが座っていた。眠れないのだろうか無理はない。
暗いがよく見ると可愛い、眼鏡を外している姿は初めて見たそれに、髪も上げていた。見惚れていた完全に見惚れていた。
「どうしたの?」
気づけば僕はミキ、いや女の子に話しかけていた。
廻間–ハザマ– たっち @ta-tti
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