名称詐欺なスキル『キューピッド』は異世界のラスボス系能力 黒銘菓短編集69弾

精神的に来るNTR

「ねーえ、キューピッド様？早く彼方に行きましょう？」

妻が馴れ馴れしくキューピッドに抱き付く。

「貴様！我が妻に何をしたぁぁぁ!!」

「赤の矢。

対象への好意を激増させる。

例え仇でも恋人になるくらいにな…」

「このゲスがぁあああ！」

四天王の集中砲火に手も足も出ない。

傷付けたくない。

部下にここまで憎まれていた事が悔やまれる。

「キューピッド様ぁん？早くぅ。」

目の前で妻が奪われながら何も出来ない自分が呪わしい。

心折られ、

体砕かれ、

こうして魔王は討伐された。

「いや駄目だよ！ダメだからキューピッド君！」

神が怒鳴る。

「神が魔王討伐しろって言ったんでしょ？」

「もっとやり方考えて！キューピッドがなに悪魔の手法使ってるの？」

「手段は選ばん。それがキューピッドだ。」

「矢で縁を結ぶのがキューピッドでしょう⁉」

こうして、魔王の国は滅ぼされ、新たにキューピッド主体のキューピッド帝国が建国された。

恐るべし、キューピッド。