吸血鬼が現代社会で暮らすには

新しく吸血鬼になった方向けに、現代社会で必要な諸手続きその他のハゥトゥエッセイ。

 と、いうていのフィクションなのだが、細かいところまで切れ味の良いセンスでネタが詰まった、非常に愉快な読み物だった。基本的な設定から、それが実際に運用されたらこういうこともあるいね、という小ネタの作成が天才的に巧い。
 ヴァンパイア・ハンターが今は吸血鬼が社会でやっていくための手伝いをする職業だとか、吸血鬼は歯医者で牙を削らないといけないとか色々あるが、ネタが多すぎるので実際に読んでもらうのが早い。
 個人的には、1900年代初頭生まれの主人公は、マクドナルドを高級でおしゃれなカフェと思ってるだとか、「茜と山査子」があんなタイミングで出てくる第五話で無茶苦茶笑わされた。