第4話 幽体離脱

 友人の知り合いに、バイク事故で頭を打ってから、頻繁に幽体離脱を繰り返せる人がいる。

 ちょっと実家に帰って来ようと思ったら、実家の梁の所に行ったりするという。

 抜けるのは簡単だが、戻るのはだんだん大変になって来たとの事だ。

 戻らなかったら、何処に行くのだろうか。

 そう考えると、幽体離脱は出来たとしても、安易に繰り返しするべきではないということか。しかし、意識して、幽体離脱するのではなく、勝手にというか、自然と幽体離脱するのだったら、防ぎようがないが。


 私が初めて幽体離脱をしたのは、前の家で住んでいた時だ。

 日曜の朝、私は寝坊していた。コンビニに夫と息子、翔が朝食を買いに行って、帰って来た。玄関をガチャンと開けたので、私は目が覚めた。

 しかし、目が覚めた所が、一階と二階の間の階段が曲がった所だった。私は慌てて、自分の体に戻らなくてはと、焦った。階段を上がってというか、浮遊して行った。押入れをすり抜けて、眠っている二階の部屋に戻った。自分の体を見下ろした。私は自分の身体の目と目の間から入り、元に戻った。

「よかった」と 安堵し、又、意識が薄らぎ、眠ってしまった。

 その時は姿、形はなく、只、意識だけで、浮いていた。


 二回目は実家の母が家に遊びに来た時だ。二人で枕を並べて眠っている夜に起こった。

 私は玄関の外で目が覚めた。

 夜中だったので、外は暗かった。うちの玄関のドアが目の前にあった。

「エーッ、どうしよう」と思い、ドアをガチャガチャしようとした。しかし、出来ない。焦っていたら、ドアをくぐり抜けて、家の中に入ることが出来た。安心したら、又、眠くなり、そのまま意識が途切れて、眠ってしまった。

 朝、目覚めた時は、肉体に戻っていた。


 最近もキッチンで飛んでいて、ぐるぐる何度も空中を上から下へと回っていた。

 その時は私の姿は見えていて、意識だけではなかった。

神様に「何でした?」と聞くと、「幽体離脱だ」と 教えてくれた。

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神様日記 安奈 恵 @anna-131

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