第3話 地質屋は死体をみつけることがあるのか?

地質屋とはなにか?


地質屋は,おおまかにいうと地質学を研究や仕事の対象にしている人のことで,研究している人でいえば火山だったり地層のできかた,化石など地質について様々なことをやっている人がいる.仕事としてやっている人は,ダムを作るときの調査や地下水,温泉,地滑りなど多岐にわたる.


地質屋の日常


地質屋はその性質上,野外に出ることが多い.海岸の岸壁,道路沿い,大きな河川,沢など都市から人がとてもいるとは思えないような場所まで目的のために調査している.時には滝登りをすることもある.川でも比較的メインルートでは釣りなどのために立ち入る人が良くいるが,枝沢などでは人がめったにこないようなところが一般的である.


そういうところでは


我々地質屋も状況次第ではよくけがをしたり,運が悪ければ死ぬこともある.学生であっても,いや未熟な学生であるからまれに死亡者が出ている.山岳部に入っているような人でも,地質調査をしていると突然崖から岩が落ちてきたり,足を踏み外したりするアクシデントに遭遇することがあり,けがをする可能性は大いにある.私もそうだし,教授たちも大なり小なりけがをしている.


死のにおい


けがあるいは死ぬかもしれないことを頭の片隅において調査をしているとたまに思うのは,死体を見つけたらどうするかである.自殺者,他殺体あるいは遭難者が息絶えたまたま誰にも発見されなかったら私が見つけるかもしれない.しかし,ここ数年現実問題として一度もそういったことを誰からも聞いたことがなかったわけである.


ところが


去年の秋.私ではないが先生と後輩がついに死体を見つけてしまったのである.まさか最初は人間の死体 (骨) だとは確証が持てなかったものの一緒にあったリュックサックなどの携行品から人間であると分かったらしい.身元もすぐに明らかになり亡くなった人は,冬季登山中の遭難で命を落としたそうだ.


最後に


地質調査中に死体を見つけることはある.また地質屋は死なないように取れる策は取ろう.

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