第6話 本日の山神の運勢

次の日。

山神はいつものように登校した、前髪にピンクのリボンをくくっていることを除いて。

朝。

「う~ん。運勢が良くないわ。」

「えっ?」

「星空を観てみなさい。」

二人は空を見上げたが、

「もう明るいから星が見えない。」

山神は寝起きの声で言った。

「ほらね、貴方の星がもうあんなに黒くなって。」

アリスははっきり言ったが、

「だから、星が見えない。」

山神はほとほと参ったように言った。

「じゃあどうしたら良いんだ?」

山神は言うと、

「んっ。」

アリスは手を差し出した。

「何?」

山神は思考が回っていなかった。

「何って、お金よ。お金。33円。」

「あぁ。」

山神は素直にお金を渡した。

「で、僕はいったいどうしたら良いんだ?」

山神は素直に聞くと、

「ピンクのリボンを頭にくくった方が良いわ。」

アリスは提案するように言うと、

「えぇ。ピンクのリボン・・・。」

山神は嫌な顔した。

「じゃないと、交通事故に遭うぐらいの運の悪さよ。」

「分かりました。」

山神は普通に頭へリボンを結んだ。

「どう?」

山神はアリスに聞いた。

「そうねぇ。う~ん、こっちの方が効果が上がるわ。」

そして、アリスが山神の前髪にピンクのリボンをくくった。

「これで効果が上がるわね。くくく。」

アリスは口を手で押さえながら、笑いをこらえていた。

「本当に効果が上がるんだろうな。」

山神は半信半疑でアリスに聞いたが、

「大丈夫よ。くく。」

アリスは笑いを隠しきれていなかった。

そして現在に戻る。

「周りの何人かがこっちをチラチラみてるんだが。」

山神はアリスに言うと、

「気にしないで。」

アリスはニヤニヤしながら答えた。

そして、無事に学校に着いた。

(リボンの効果があったのかな?)

山神は思った。

そして周りの女子の何人かが、

「どうしたの?山神君その頭?」

山神に聞いてきたので、

「いや、ちょっと運勢が良くないみたいだから、ピンクのリボンをくくったんだ。」

山神は少し恥じらいながら言った。

「本当に?ちょっと運勢調べてあげるね。山神君、何座?」

「さそり座だけど。」

数人の女子はネットでさそり座の運勢を調べた。

「今日はめっちゃラッキーって書いてあるよ。」

「えっ?」

山神は驚いた。

「恋愛運。絶好調の恋愛運。だって。金運は出費は少なめに済むでしょう。仕事運は集中力抜群の日、だって~。」

「・・・。」

「幸福が降ってくるそうよ。」

「・・・。」

山神は無言でアリスを見た。アリスはびっくりしたような顔をしていた。

席に着いた山神は、アリスを机の上に起き、

「ア~リ~ス~。」

と言った。

「まっ、あれは人間が作った代物。運は天に任せると言う言葉の通り運のことは天、つまり天界に聞かないとな。」

アリスは青ざめながら言い、山神は細めでアリスを見た。

「まっ、貴方の星は星座の運の良さを凌駕するくらい悪いの。」

アリスは淡々と言った。

「・・・本当だろうな?」

山神は疑いながら言うと、アリスは力強く言った。

「タダのネットと、33円の情報、どっちを信用出来るかという話よ。」

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空から天使が降ってきた 峪明博 @sakoakihiro

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