第2話 すたーとらいん


実家にいるときはよく携帯をつついていた。

いわゆるガラケー


高校の3年の後半を残して

ほとんどがガラケーだった。


そんな頃流行っていたのは

glee、モバゲー、ミクシィ、、、

といったSNS。


ひとりひとりが

自分のホームページなんか

持ってたりする時代だった。



"よかったら仲良くしよ"


ぼくは同じ高校に通う

後輩の女の子にメッセージを送った。



同じ学校の子を見つけては

ボタンひとつで色んな子と繋がれるSNSに

没頭していた。



"あ、ミクシィの〇〇だよね?"


"もしかして◇◇ちゃん?"


こんな風に学校で会っては話す。


そこから連絡をとり付き合う人もいた。



そんな中

何気なく送ったメッセージなのに

何気なくしゃべりかけたのに



何気なく恋をしちゃった子がいた。



恋といっても

その恋はぼくの心の

ほんの5パーセントくらいしか

満たなかった。



なんでだろう。

当時のぼくに言ってあげたい。



残りの95パーセント

なにに使うつもりなのかな。



人は歳を取るにつれて

1年が短く感じる。



それは当たり前のこと。


10年間しか生きていないコドモの1年と

30年間も生きているとオトナの1年は

相対的にみてもほんの1部に過ぎないから。



でも高校生のぼくの1年は

いまのぼくの1年よりも

短い気がしてならないのは

神様のイタズラだと信じたい。



神社で手を合わせるときに

ただの気休めとしか思っていない僕が

神様を信じる。

都合のいいように使って怒らせたのかな。



そんなもどかしい高校生活の中で

2人はあっという間に距離を縮めていった。



毎日メッセージのやり取りしてた僕等は

お互いに惹かれあっていることに

気づきだしていた。



学校でさりげなく見る姿

階段を降りる姿

先生と笑ってる話をしている姿



ふとしたところに

君の名前が書いてあることもあった。



掲示板に僕の名前を見つけては

写メを撮って送ってきた。



もっと2人で自由に会いたい。

誰の目も気にしたくない。




"2人でどこか行かない?"



やっとすたーとらいんに立てた。








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照れ顔の君はそっと影に隠れた @sksksk-6517

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