第6話 霊能力?・2

母の一族はそんな感じなので、

その手の話しは日常茶飯事。



当時、母方の商売ではたくさん従業員がいた。みなさん楽しく仕事して、

私も可愛がってもらった人がいる。


やはり仕事に復帰したくても出来ずに亡くなった方は、よく店に出た。

足音、人影、亡くなってもなお、仕事していたのかもしれない。




私とは違うタイプの従兄Sは、性格も似てるので兄みたいに可愛がってくれてる。

ここから従兄は2人、霊感ある方と無い方がいるので、ある方を名前のイニシャルでS、無い方をKとします。


◆◆◆


母の兄である叔父がまだ元気な頃、叔父は自分の孫、従兄Kの子供が重い喘息なのを嘆き、信仰宗教に入った時期がありました。


当時何かで集まった時、まだ祖母も生きており、近い親族だけでしたが、宗教に入った事実を聞き、


一同『……は?』


もう、誰も止められない。まぁどこぞの壺を買わなきゃ地獄に堕ちる!

ような宗教ではなかったと思う。



何年か過ぎたのだろうか、当時お金のあった叔父は仏壇を新しく購入、

宗教の人に何か言われたのだろう、

仏壇を新しく→魂入れという仏様の引越しを一族集まってやらなきゃという事になった。


仏壇には霊力のあった祖父、幼くして亡くなった叔母が入っていた。



祖母はまだ生きていて、祖母の娘である母と、息子の叔父、孫の私と従兄K、S、その嫁達、子供達、

祖母からするとひ孫まで集まっていた。



魂入れ当日、宗教の人が2人来ていた。

私やまだ若い従兄Sをニコニコと勧誘してきたのを覚えている。



叔父がこの2人は霊感があるとか言ったのだろうと思った。


『お2人のような方なら、素晴らしくなれますよ!』

素晴らしく……

素晴らしくって?



私も従兄Sも宗教には全く興味を示さなかった。



ぜひ一度考えてみて、と見知らぬおじさんにニッコリされた記憶がある。



そして何やらお経が始まって、入れ替えの儀式らしきものが始まった。



いま思い出すと、そんな宗教の人が魂入れなどするものなのかと思うが、その辺はよくわからない。



お経を聞いているその間、とても具合が悪くて仕方ないと思った記憶がある。

真夏だったが寒くて、途中トイレで吐いてしまった。



すると、宗教の人は、

『あ、やはりアナタは強いから……

行っちゃったね』



ガクガクと震える身体。

どうやら幼くして亡くなった叔母が私に憑依したとの事だった。



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たどり着いたのは海辺 水川Rin @umi-mizukawa

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