第3話 サガ道中日記~悪夢編・2~

「うっわ~、続いちゃったよ。2って何よ。なんでこうなった。」


「いやな、作者がほぼほぼ会話だけで作品書いてたらコレが意外とノリが良くて、情報量と言うか書きたいことが増えたから「悪夢編」は細かくしようと思ったらしい。」


「つまりこれがちょくちょく入ると。」


「たぶんな。」


 ■■■


「で、前回の引きはドラマ性とか何とかだったよな。ドラマって結局何?」


「ふむ、それは本来地蔵菩薩が語るべき事柄ではないが―――。」


「いや、そうゆうもったいぶったのはいいから。」


「何を言う。このもったいぶった会話こそが即ち「ドラマ性」になるのだ。」


「どういうことだ。」


「例えば、「敵ロボットが出現。」「主人公がロボットで出撃。」「苦戦しつつも必殺技で敵を撃破。」「主人公帰還。」「平和になった。」。これがドラマ性のない物語となる。」


「ただのあらすじだな。」


「昔のロボットアニメはこんな感じだったらしい。―――これにドラマ性を加えるとなると、「敵が出現。」「主人公が出撃して追い返す。」「主人公帰還。」「主人公は敵を倒せなかったことを叱責される。」「主人公、度重なる出撃に疲労こんばい。」「他の仲間も疲労がたたっている。」「主人公、疲れでキレて出撃を拒否。」「指揮官、主人公を殴って言い聞かせる。」「主人公、初めて殴られたことに逆ギレ。」「主人公、家出。」「家出先で敵と遭遇。」「敵味方と知らずに仲良くなる。」「主人公がいない間に敵の攻撃がある事を知ってしまう。」「主人公、罰を覚悟で戻り仲間のために戦う。」「強敵に苦戦する。」「戦いの中で一矢報いるも、直接顔を合わせたのは知ってる顔だった。」「敵が知っている人だと分かって戦いに苦悩するも、敵は攻めてくる。」「敵は敗北を悟って主人公に負けるということ現実を見せつける。」「主人公、戦いの厳しさを知る。」「しかし、敵は尽きることなく敵討ちの為にやさしかった女性に攻められる。」「非情な攻撃も仲間の犠牲で九死に一生を得る。」「戦いの傷跡に胸を痛めながらも戦争は続く。」―――と、言った感じになる。」


「――――ラン〇・ラルだよね。」


「言うな。―――ここが一番分かりやすかったのだ。―――とは言え、これではまだストーリーができただけだ。これに観客の胸を打つセリフを加え、衝撃的な演出を加えることでドラマとなる。―――格好いい言い方をするならドラマツルギーだ。」


「なるほど、ドラマ性については分かった。ではなぜそれを本編でやらない。」


「萌え燃え~な展開を考えたらボリュームが足りなかったのだよ。」


「それで何で座談会こんなことになったんだよ。」


「作者曰く、色々考えたら地蔵菩薩出した方が面白いし、ストーリーを壊さないようにしたらこうなった。」


「おもっくそ壊れてんぞ。」


 ■■■


「で、この際だから聞いておきたいんだが、…お前のキャラソレってアレだよな。」


「もちろん「この素〇らしい世界に祝福を!吾輩が好きな作品」の「バ〇ル好きなキャラ」をオマージュしたキャラクターだが。」


「やっぱパチリじゃねぇか。怒られんぞ。」


「地蔵菩薩がこのざまで作者に天罰が下っていない時点で問題ない。」


「それとこれとは別だろう。」


「そう別なのだ。パチリとオマージュは別なのだ。―――いいか、キャラクターのオマージュは国際的に認められているんだよ。」


「某国がパチリで訴えられてなかったか。」


「それはパチリだからだ。―――パチリとは原作に配慮しない、ともすれば原作を損なうような扱いを勝手にやることだ。例えば、営利目的や売名行為の為にな。」


「お前は違うというのか。」


「あぁ、違うとも。吾輩が先ほどまで某キャラのコスプレをしているとは一切口にしていない。読者様が勝手にイメージしていただけだ。―――そしてこれが決め手だ。コスプレをやめた吾輩は真の地蔵菩薩として降臨する。―――これは即ち、某キャラのコスプレをしているという設定のオリジナルのキャラなのだよ。―――まぁ、いつ出てくるかは断言しないのだが。」


「すっげぇ。―――どう考えてもこじつけじゃん。」


「貴様は「シャーロック・ホームズ」と「アルセーヌ・ルパン」を知っているか。」


「そりゃぁ有名だから知っているが。」


「「アルセーヌ・ルパン」の作者「モーリス・ルブラン」は勝手に自身の作品に「シャーロック・ホームズ」を登場させて作者の「コナン・ドイル」に訴えられたことがある。」


「そりゃぁ訴えられるだろう。」


「イギリスの「ホームズ」、フランスの「ルパン」。どちらも国を代表する人気作となっていたためこの裁判は国家の威信をかけた代理戦争みたいになった。」


「大げさぁ~。」


「ところがどっこい、イギリスとフランスは百年戦争のころから仲が悪くって、表面上は平和でも何かあるとすぐ張り合ったりするもんだ。この時もそうなった。」


「結果から言うと。」


「不起訴となった。―――ルブラン側は「綴りが違う。」と、「ホームズ」の名前のアナグラムで作品を書いていたのでと言う訴えが通った形になった。だがこの作品自体は読者から「ホームズ対ルパン」と認識されており、賛否両論あったのも時代と共に定着していって、現代日本では当たり前のように翻訳版では「ホームズ」書いてあるからな。」


「そういや「ルパン〇世」なんてのがまかり通ったりしているよな。」


「元のキャラをオマージュした「オリジナルのキャラ」は最早エンターテイメントの世界では当たり前に使われている物だ。―――それとは別にやっぱコラボ企画は面白いという意識を定着させたこともあり、有名どころでは「キングコング対ゴ〇ラ」なんてものがあった。」


「そのコラボは初耳だが、最近では映画で「エイ〇アンVSプレデター」とかあったな。日本のアニメでは「異世界〇るってと」てのが面白かったし。」


「とまぁ、そんなわけで吾輩のキャラはちゃんとオリジナルなのだよ。と言ったところで、原作者殿の目にも止まらなければこの論理も何も関係ないんだけどな。」


「そういえば2次創作とか今多いけどあれはどうなんだ。」


「実際話ややこしいんだが簡単に言うと一番多いのが黙認だ。次が事前に発表されてるガイドラインに合わせて行っている。で、一番正しいのは申告して許可貰っておく。ってところだ。―――あぁそうそうそれと、原作者が原作に同人をはじめとした二次創作を全面的に許可しときますよーって意思表示する国際マークが存在してたりする。その名もずばり「同人マーク」。」


「最後のは冗談だろ。」


「いやマジマジ、今度調べてみろよ。」


「異世界に居たらできないだろうが。」


「あぁ、それなんだが、今後の徳ポイント交換ラインナップには少年用の異界型個室の実装が予定されてる。その中ではパソコンを用意することもできる。」


「マジで!異世界冒険しながらゲームとかできるのか。」


「ただし基本的に徳ポイントとの交換なのでしっかり働いて神クエストをこなせよ。」


「なんか普通にサラリーマンみたいだけど個人的には天職みたいだわ。」


「ではそろそろ本編に戻ってお仕事にいそしめ次の冒険に出ろ。」


「ラジャァー。」


「あぁそれと、今度大規模なイベントが起きるからしっかり参加するように。」


「……なぁ、もしかしてほんとはそれだけ伝えればいいだけの話だったんじゃないのか。」


「「神様から情報を得る」だけのイベントにグダグダと会話してただけで尺を稼いでいく。これがドラマだ。」

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