『のうコメ』SS(4/8) カナデの知らないUOG製品の世界2



----------------------------------------



奏「……という事で、とんでもない力業でまさかの『2』になった訳だが……ここまでやったからには、ちゃんとまともなUOG製品を紹介してもらわないと困るぞ」

謳歌『オッケーオッケー任せてちょ! このリュックには魅力的な試作品がたくさん入ってるからねー。ふむふむ『2』の一発目はどうしようかなー……あ、同じ『2』だしこれがいいや。オリジナルのお札を作って遊ぶオモチャ、『札るんです2』だよ!』



「それ偽札製造機じゃねえか! 超リアルに作れるやつだよな、たしか……」

『あはは、偽札だなんて人聞き悪いなー。あ、でも『2』になって色々進化したから渋沢栄一さんのやつも作れるようになったよ』



「偽札の先行印刷とか前代未聞だわ! 他! 他はなんかないのか!」

『あ、これも『2』になってからの新機能なんだけど、ここのスロットに十円玉を入れるとギザ十っぽくできるんだ』



「他の性能じゃなくて別の製品を紹介してくれって言ってんだ! しかもなんだ十円玉って! もう札関係ねえじゃねえか!」

『そっかー。じゃあ他のやつにいくね……えーっと……あ、これがいいかな! 『アニマルキャンディー』シリーズ!』



 「それも前に見せてもらってひどかったやつだよな……『ウジ虫味』とかでえらい目にあった記憶が……また虫系統じゃないだろうな

『安心して! それじゃあ企画が通らないだろうって事で、別路線になったから。これはねー、あ、『渋沢栄一味』だって』



 「どこからツッコめばいいんだ俺は!」

『えーっとねー。まず『人間をアニマル扱いしていいの?』って所と、『渋沢栄一推しすぎじゃない?』っていうのと、『そもそも渋沢栄一味ってどういう事? なんか怖くない?』って点と、『これじゃ余計に企画通らないよね』って所かな』



「全部分かってんだったらそんなもん試作すんじゃねえよ! せめて……せめてこの路線でいくならオジサンじゃなくて、もっとキャッチーな人選にするとかだな……」

『あ、それなら『JKのお風呂の残り湯味』とかもあるよ』



 「それもう残り湯自体が販売されてるから! わざわざキャンディーにする意味ねえだろ!」

『ついでに『渋沢栄一のお風呂の残り湯味』も作ってみたんだけど』



「混ぜるな危険ってレベルじゃねーぞ!」

『あとね『徳川家康味』と『徳川秀忠味』を一緒に食べると親子丼みたいな味になるって裏技があるよ』


 

「混ぜちゃった危険ってレベルじゃねーぞ!」

『ちなみに『渋沢栄一味』の開発に数億円かかったってお父さんが言ってた』



「何が入ってんだ一体!」

『ちなみにお母さんを叩くムチの開発に数百円かかったってお父さんが言ってた』



 「さっき聞いたわ! こういう行数稼ぎしてっからパート2まで来ちゃうんだろうが!」

『あはは! じゃあ次はもうちょっと真面目な製品を――あっ!』



「どうした――ってうおおっ!」

『ありゃりゃ、逃げちゃった。ごめんねー、ちょっと窮屈だったかも』



 「お、謳歌……今のはなんだ……俺の目には、リュックから出てきたちっちゃいオッサンが走っていったように見えたんだが……」

『うん、ちっちゃいオジサンで間違いないよ。でも大丈夫、自分でちゃんと戻ってくるから。で、次の試作品なんだけど――』



 「いやスルーはおかしいだろ! どう考えても生き物だったぞあれ! UOG の科学力で造った超精巧なアンドロイドとかなのか?」

『ううん。あれはうちの守り神的な妖怪、『ギャン泣き爺』だよ。ある程度自由にさせてあげないと泣き出しちゃうから』



「なんだ妖怪って!? 世界観おかしいだろ!」

『え? だって選択肢なんてファンタジーなものがあるんだから、妖怪がいたっておかしくないよね?』



 「ファンタジーのベクトルが違いすぎるだろ! のうコメ世界に妖怪はいねえよ!」

『次は『アバズレンZ』を更に強化したドリンクを――』



 「いやちっちゃいオッサンが気になりすぎて頭に入ってこねえよ! まずはそっちの問題を解決してくれ!」

『そうなの? もしもーし、偉い人、なんとかできますかーっ!』



【選べ ①このSSに限り妖怪が存在する世界観になる ②甘草奏が『妖怪フルチ○男』になる】



「解決方法が雑すぎるだろ! しかもなんだフルチン男って! 妖怪以前にただの露出狂じゃねえか!」

『あ、『ギャン泣き爺』が戻ってきたよ』



「う、うおお、ほんとに妖怪だっ……いや、①を選んだからそういう世界観にはなってるんだけど……」

『あ、もう一体リュックから出てきちゃった。ごめんね、やっぱり狭いよね『砂肝婆』』



「ただの焼き鳥好きの婆さんじゃねえか!」

『ここには入らなかったけど、家には『一旦ごめん』とかもいるよ』



 「ただそのばしのぎで謝ってる奴じゃねえか! 妖怪要素はどこにあんだよ!」

『じゃあとっておき。舌を出してるのがかわいい『ペコ娘』』



 「それは『ペコちゃ○』だろ! 怒られるぞお前!」

『あ、奏っち。そろそろ尺がなくなってきちゃったよ』



「マジか……てか結局これも最後妖怪の話で終わっちゃってるじゃねえか……」

『それなら大丈夫! ここに『奏の知らないUOG製品の世界3 に続くスイッチ』があるから!』

 「もういいわ!」


----------------------------------------

※新作、『二人の美少女に挟まれながら別の美少女の悩みをいていたら、全ての美少    女が俺の事好きになった』もよろしければどうぞ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る