『のうコメ』SS(5/8) もし宴先生と奏が付き合う事になったら


----------------------------------------


奏「先生……」

宴『甘草……』



「キス……してもいいですか?」

『し、しょうがねえな……』



「じゃ、じゃあ……いきますよ」

『ん……』



(き、緊張するな……それじゃあ目を瞑って――)

『ぷ……く……』

「……え?」



『く……くく……くくくっ……』

「せ、先生?」



『ぎゃーっはっはっは! 無理! もう画面の限界だ! は、腹痛ぇ……ひーっ! ひーっ!』

「ちょ、ちょっとなに台本に無い事してんですか! 『俺と先生がもし付き合ったら』っていう体で演技する事になってますよね?」



『わ、悪ぃ……でもお前、無理だって……童貞の癖に何いっちょ前にキメ顔してんだよ……何がいきますよ(キリッ)だよ! んでその後も酷すぎだろ、どんだけ唇突き出せば気が済むんだよ! だ、駄目だ、思い出したらまた……ぎゃははははっ!』

「こ、こいつ……」



『いけねえいけねえ……ギャラが発生してんだからやる事はやんねえとな。オラ、寸止めとはいえこんなセクシー教師とキスできんだ。光栄に思うんだな』

「この幼児体型のどこにセクシー要素が……」



『あ? くびり殺すぞテメエ』

「ぐええええっ! 縊ってる! もう縊ってるから!」



『テメエ、あたしの見た目が幼児だと思ってんだろ? 怒らねえから正直に言ってみろ』

「い、いや、幼児体型とは言いましたがさすがにそこまでは……でもぶっちゃけ小学生には見えます」



『ちっ、普段なら更に縊る所だがな……あたしの中の人が幼稚園児を卒業したから、次は小学生って事に免じて許してやるよ』

「ものすげえメタな事言い出したぞこの人!」



『のうコメアニメ二期あったら、あたしの役は継続してくれっかな?』

「ねえよ! そんな話欠片も出てませんから心配しなくていいです!」



『そういえば作者がコレ書いてる正にその日、マス○さんも中の人かわってたな』

「ピンポイントすぎるネタやめてもらえませんかね!」



『ていうかさっさと続きやんぞ。いちおう形だけでもキスの真似事しとかねえと、このSSがタイトル詐欺になっちまうからな』

「いや、もう既に思いっきり演技だってネタばらししてるから今更な気が……」



『グダグダうるせえな……それとも何か? テメエはもうあの金髪の犬っころとハッピーエンドになったから、アラサー女とは真似事でもキスしたくないってか?』

「え? ハッピーエンド?……どういう意味です? もしかして俺、ショコラと付き合う事になるんですか?」



『は? 当たり前だろうが。んなの、原作を最後まで読んでりゃ周知の事実だろうが。てか読むとか以前にお前、当事者じゃねえか』

「い、いや、このSSは時系列そこまで進んでない時点の設定ですから、俺、知らないんですけど……」



『……マジか。いや、あたし自身はそうだし、お前もてっきり原作終了後の体だと……』

「う、うわああああっ! ネタバレくらった! 自分自身の事にネタバレくらったあああああっ!」



(いや、2019年の中の人ネタとかにツッコンどいて、作中設定は当時のままとかどんだけメタなんだよこいつ……とはいえちとマズいな。こいつが先の事知っちまったら、原作改変が起こっちまうかもしれねえ)

『……今のは冗談だ。ほんとのお前は異世界に飛ばされた後、選択肢によってフルチ○になって即逮捕。悲惨な獄中死エンドだ』



「ごまかすにしてももうちょっと現実味のあるウソあるだろ!」

『権藤大子とかいうオバハンに全身舐め回されてショック死エンドだ』



「ガチであり得そうで怖いわ!」

『てかもうあんまり残り時間ねえな……おい、このままだとあたしのギャラが吹っ飛ぶからさっさとキスしろやゴルァ!』



『そんな金銭欲と恐怖に塗れた迫り方見た事ねえわ!』

「あたしにはアイツがいるから元からテメエなんざ眼中にねえよ。フリでいいんだよ、フリで。おら、さっさとやれ」



「無理ですよ、今はそれよりもさっきのネタバレで頭がいっぱいで……いや、ショコラはたしかにかわいいとは思いますけど、そういう対象として見たことないっていうか……いや、でも……」

『グダグダうるせえな……あ』



「ど、どうしたんですか、何か思いついたような顔して」

『お前は覚えてねえかもしんねえけど、原作でも雪平に似たような事されてんだよな……うし、記憶がなくなるまで後頭部フルボッコにしてやんよ』



「え?……ちょ、ま……ぎゃああああっ!」

『これも原作を守る為だ、許せ。んでこのSSのタイトルもちょっとだけ変えて『もし、宴先生と奏がドツキ合う事になったら』で全て解決だオラァ!』

「いやアンタが一方的にドツイてるだけでぎゃああああああああっ!」


----------------------------------------

※新作、『二人の美少女に挟まれながら別の美少女の悩みをいていたら、全ての美少    女が俺の事好きになった』もよろしければどうぞ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る