悪意に満ちたワンダーランドを掻き乱す、白と黒の狂騒曲

おかん気質の狙撃手、白い死神ユーシアさんと、
殺意だだ漏れの暗殺者、黒いてるてる坊主リヴくん。
二人は、おとぎ話の異能を持つ魔法の薬の常用者。
倫理がどっか行った都市ゲームルバーグで、“アリス”を捜して回っています。

物語の始まりは、虐待被害にあった少女の救出。彼女に同情(?)し、父親を懲らしめに行く展開に、なるほど悪に手を染めながらも弱きを助け強きを挫くダークヒーローものなのかな、と思ったら……

とんでもない。この二人、正真正銘の悪人です。

自分に正直な二人は、いくら犯罪都市といえどもやり過ぎじゃない!? とツッコミたくなるほど自分勝手に暴れ回ります。

個性たっぷりで、倫理観が欠如しているのに不快感のないキャラクターたちと、緊迫したシーンでこそ交わされる間の抜けた会話が見処です。
会話を追っているうちに、気づいたら物語に惹き込まれていました。

アウトローな二人の愉快・痛快復讐劇。
是非一度ご覧ください。
あ、でも15歳未満の方にはオススメできませんので、ご注意を。