本作品は寝取られ系はちょっと、という人にも読んでもらいたいです
単に恋人が寝盗られたから復讐するという話しでは無いです
この作品は互いに恋人を寝盗られた主人公とヒロイン、主人公が自分から離れるなんて考えた事もなく軽い気持ちで浮気をしてしまった残念ダーティーヒロイン、主人公とヒロインを支える同い年の叔母さん。みな、重要な役割を果たします
作者様の絶妙なバランス感覚に舌を巻きます
ヒロインがいなければ主人公はただの復讐者になっていたと思います。ヒロインは主人公のお薬の様な存在になります。そしてダーティーヒロインは浮気をしていながら、主人公が自分から離れてしまうと悟ったら、主人公への愛に気がついてしまいます。取り返しがつかない裏切りをした人間の悲しみと懺悔の気持ち、悲哀
この作品を読んで、随分考えさせられました。裏切られた人の気持ち。取り返しのつかない裏切りをして、それを後悔する人の気持ち
それは復讐したからリセット出来るものではないです
作者様、私は佳代派ですが、読者の要望等に配慮無用です
私は佳代から目が離せませんが、それは作者様のキャラが魅力あるからです
このストーリーだから、たくさんの読者がこの作品を応援しています
作者様の思う通りに書いて下さい。
応援しています。お体ご自愛ください
幼馴染は大切にしましょう。
私は正直ネット小説やラノベというものはほぼ読んだ事がなく、食わず嫌いは良くないとサイトを見た際、あらすじが新鮮に思えて今作を読んでみました。ドロドロした重い展開になるかと思いましたが、終始主人公のモノローグで延々とボケ&ツッコミを入れ続ける(ラノベっぽいというイメージで良いのでしょうか)おかげで大きな事件が起きても軽い気持ちでサクサク読んでいられます。
この小説では前半部分で浮気されている間の主人公の怒りや悲しみをハッキリと丁寧に1話1話を使って描写しており、且つテンポ良く話が進んでいきます。おかげで読者としてはカタルシスを得やすいのであろうと思います。実際スカッとしました。
しかしただスカッとするだけでは終わらずその後の救済と赦しについても描かれているのが巧妙です。幼馴染ちゃんは『浮気をしていた』という事実のみに限って見れば100%悪いですが、タチの悪い男に捕まった事に関しては彼女は被害者なのです。しかしその男がタチ悪くなっているのは周りの大人達のせいでもあります。更には主人公はどうだったのか?という本人の自戒など、そこに現実的な勧善懲悪の不成立が存在することで、この物語にリアリティが増しているのです。
そして何より、この物語は幼馴染がいかに大切かを熱く語っているのです。幼馴染とは幼少から何年も共に時間を過ごしてきた存在なのです。それが男でも女でも、人には選べない生まれによって得られる貴重な存在であり、たとえ裏切られようがその過ごしてきた時間は変わらない事実なのです。どれだけ責めても恨んでも、共に過ごした人が苦しむ姿は己さえも傷付けます。失敗しない人間などいません。間違えない人間も同様です。裏切られれば過ごした時間を否定された気にもなるでしょう。しかしながら、前に進むにはただ赦すことが求められるのです。
他の幼馴染に復讐する!といった作品を読んでいないので断言できませんが、これは幼馴染をヒドイ目に合わせるような作品へのアンチテーゼに思えてなりません。
みなさんも幼馴染は大切にしましょう。
長文失礼致しました。
二部の途中までの状態で読み始めたため、確かに二部についてはいまいちだと
感じていましたが、ここ(「苦悩の末に一歩前へ踏み出す、それもまた愛」)に
きて、読み続けてよかったと思っています。
二部を読み始めた当初では、ある新登場の男性(某鼻毛漫画っぽい人じゃないほう)
の役割がよくわかっていませんでしたが、ここにきてこの方の役割がなんとなく
わかってきたような気がします。
若干デウス・エクス・マキナ的なところもありますが、この作品(特に第二部)を幼馴染
との関係の再構築(恋愛的な意味ではなく)という観点から見ると、
やはり必要な登場人物なのかなとも思います(って、全然違っている
かもしれませんが)。
現時点ではまだ副題(タチバ・スワップ)の意味が個人的にわかりませんが、
今後わかるようになるのかとも思っています。
二部の途中で読むのをやめた方も、完結後によむとまた違った感想を得られる
ようになるかもしれませんので、そのような作品になることを願っています。
それと、シベリアを一度食べたくなる作品です(笑)
【完結後に追加】
途中はいろいろつらい部分もありましたが、最後までよむと
非常に読後感がよい作品であり、浮気という重いテーマを扱って
いる作品としては、最後まで読んだときに非常に幸福になれる作品です。
若干長い作品ですので、一気に読めないときは途中でいやになりますので、
時間のある時にまとめて読むことをおすすめします。
主要登場人物の中で非のある人物についても、それなり(というには結構苦
しいものですが)の罰を受けますが、1人を除いて最終的には幸福もしくは
希望をもてる結末となっています。
特にヒロインの母親については、いろいろ意見のある方もいると思いますが、
彼女が不幸になると、ヒロインが幸福になれないこと(これは作者の方が
twitterでも言われていますが)、物語の中でヒロインがいっているように
最大の復讐が主人公とヒロインが幸福になること、であるのであれば
作品上では必然の結果となると思います。
また、同様のことが幼馴染にもいえて、彼女が不幸のままだと主人公も
幸福にはなれなさそうなこと、最後に写真ではあっても綺麗な笑顔を
見せることができたことにより、より幸福であることが強調されたと思います。
とりとめなく書きましたが、作者の方はスピンオフや新作の構想も持たれて
いる、とのことですので、非常に楽しみです。
タチバ・スワップの意味はわかりました。
この作品は恋人でもある幼馴染吉岡佳世が、他の男池谷浩史と懇ろになっているのを
目撃してしまうという衝撃の展開で幕を開けます。
同じく現場を目撃し傷ついた間男の彼女白木琴音と共に
真相に迫っていくのですが、真相は思っていたよりもハードです。
その辺りの心情をジョーク等で、上手くオブラートに包んではいますが
当然心は荒れ狂い、傷からは止めどなく血が流れていきます。
真相を探る内に「同じ境遇」から段々とお互いが大切な存在へと変わっていく
琴音と主人公ですが、同時にモヤモヤした気分は解消される事はありません。
人間ですから当然不実な彼女や割り込んで来た間男へ復讐したいと強く憎しみを
募らせますが、時間の流れは残酷で更に状況が進行かつ悪化の一途を辿ります。
単なる浮気ではなく「これまでの人生全てを否定される」思いと、完全には
断ち切れない情との狭間で葛藤を繰り返すも、やがて浮気の事実は最悪の形で
周知の事実となってしまい主人公は酷い冤罪を掛けられてしまいます。
(真相を明かす為にこれまでの証拠を開示した後、周囲の主人公の心情への無理解に対して「血を吐く様な叫びと嘆き」は本作品の最大の見せ場だと個人的には思います。)
結果的には冤罪が晴れ別れる事になり、別れた事によってより一層琴音と親密さを増し佳世は段々と追い詰められながらも、過去が彼女を追いかけてきます。
過去にしてきた事は佳世にとって最悪の展開へと進んでいきますが
ここでも主人公は「漢」を見せます。
(個人的には自分でヤラかした事なんだから、関わらない方がいいのにと思いますが)
そして主人公達の紆余曲折の果てに、佳世の暗雲は解消し本当の意味でサヨナラをします。
主人公は佳世とサヨナラして琴音と会い、佳世は主人公とサヨナラして苦い思いを噛み締めながらこれからの人生を歩んでいくものと思われます。
故人曰く「さよならだけが人生」とは良く言ったもので、各人かつての自分とサヨナラする事で苦い経験を経ながらもまた一歩大人になり、新しい出会いを得ました。
恋人の浮気とそれを知った絶望という重いテーマでありながら、軽妙な文体がその痛みを軽減させてくれるので、読後感は非常に良い物となりました。