偏頭痛の夜

naka-motoo

頭が痛いんじゃなくてココロが痛いんだよね

 わたしはわかってる。

 これは偏頭痛じゃないと。

 偏頭痛の皮をかぶったなのだと。


 本当は精神科に行かなくてはならないのだと。


 わたしは最初脳神経外科に通っていた。

 単に頭が痛いからだといって。


 本当は違うのに。


 医師に訴える。


わたし:頭が痛いんです。

医師 :では日記をつけてください。

わたし:日記、ですか?

医師 :そうです。偏頭痛の周期や痛みの度合いを日記につけるんです。フォームをお渡しします。

わたし:それで、だからどうなるんでしょう。

医師 :どうなる、とは。

わたし:その日記でわたしの痛み(憂うつ)が治るんですか?

医師 :(さあね)やってみないことには。偏頭痛の薬は頭痛が始まってしまったら効かないんですよ。

わたし:そうなんですか。

医師 :ええ。日記をつけて「あ、来る」と痛みが訪れる時の感覚や前兆を読み取って、クスリは「あ、来る」というその瞬間にのまないといけません。

わたし:先生・・・・

医師 :はい。

わたし:痛いから、死にたくなるんでしょうか。それとも、死にたいから痛くなるんでしょうか。

医師 :・・・・・・・多分、『死にたくないから』痛くなるんでしょうね。


だからわたしは精神科への紹介状をもらった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

偏頭痛の夜 naka-motoo @naka-motoo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ