仁-第七夜:夜集会
「全員集まったな」
壬生浪士組の土方だ。
「土方さんよぉ、こんな夜中に何を…「今‼芹沢さんの横暴がだんだん悪化しているのは知っているよな」
土方は畳をバンッ‼と叩き、話した。
さっき話していたのは後の新撰組副長助勤二番隊 隊長永倉新八。
今は部屋の隅でイジイジモードとなっている。存外メンタルとやらが豆腐並みに柔らかいのだ。
「それでだ」
その様な事を気にもせずに土方が言った。
「ここ最近怪しい行動をとっている所を監察方に頼んで調べてもらった。山崎‼島田‼」
すると天井と障子の向こうから1人ずつ出てきた。
天井から出てきた黒装束の者は山崎丞。
主に夜と怪しい場の周りの状況を調べていた。
障子の向こうから出てきたのは島田魁。
店の中で休んだ店員の代理のふりをして、店内を調べていた。
つまり今回は倒幕派の手伝いを裏でしている店を襲撃して名を轟し、名誉挽回をしようという考えだ。
「この二人が調べていた店がかなり怪しかった。店の名は藍井屋だ」
「藍井屋ってあの染め物の藍井屋?」
藤堂が聞き返した。
「はい。藍井屋は夜分何かを染料らしき物と、一緒に仕入れていました」
山崎が言った。
更に島田が
「それが夜分に仕入れたものとは分かりませんが、店内のあちこちに隠していました。例えば…」
島田は調べた所、他の店員に聞いた事を事細かに話した。
そして土方が…
「今、近藤さんはあいにく胃腸炎、芹沢さんは晩酒。だから俺達だけで行く‼日は明日、月が地平線から拳四つ分になったら太鼓を鳴らす。そしたら各隊、2名連れて集合だ。良いな‼」
「(一同)オォー‼」
「うるせぇ‼静かにしていろ!」
これが藍井屋事件の前日であった。
青龍記 月夜見丸 @d1dmdk
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。青龍記の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます