男? 女? 男装? 女装? 確かなのは、一途に想う気持ち。

教師であるアスターは、新しい学校に赴任すると同時に、親友の公爵家令息ジンジャーから、すむ場所として別邸を借り受けます。そこで出会ったのは、ジンジャーの弟にして、アスターにとっても幼馴染み、さらには学校では生徒となるアリッサムでした。
これだけなら、懐かしい相手との再開というだけですむのですが、なんとアリッサム、いきなりアスターにキスをして、彼への好意を告げてきます。

教師と生徒。さらには男同士。当然戸惑うアスターですが、アリッサムの行動はさらに飛躍し、女装して登校するように。
しかし、読者としてはここで疑問がひとつ。本作のタイトルに『~恋する人は女装令息!? それとも男装令嬢!?~』とあるのだけれど、結局どっち?
ですが、そんな疑問を持つくらいがちょうどいいのです。アリッサムに翻弄され、アスターの戸惑う姿を見ながら、実は○○なのではと想像する楽しみがありますから。

そして、一見自由奔放なアリッサムですが、一度その気持ちが描写されると、いかに一途にアスターを想っているのかがわかります。それはもう、アスターに、教師と生徒とか、性別とか、そんなのいいから受け止めてあげてよと言いたくなるくらい。
とはいえ、そのアスターは意外と簡単にはいかないのですよね。

性別と立場と運命に翻弄される二人。アリッサムの一途な想いは、アスターの心を動かすことができるのでしょうか?

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