濃厚な序盤の後味
- ★★★ Excellent!!!
まず。前置きとして私は本作品を漫画から読みました。が、小説の方は大分まともな味付けで驚きました。のでレビュー★3は間違いでは有りません。
しっかりと読ませる力のある作品でした。癖のない文章が良い喉越しで主人公(おそらく)のリデルちゃんがアホではないところもかなり好印象です。
前世で遺した娘と信頼を築いていく展開もよかったです。娘ちゃんの成長にちょっと泣きました。
ですが、序盤の健気で頑張りやなリデルちゃんを好きになればなるほどなんじゃそれとなるのは体感事実なので少し批判的感想も書きます。読まなくていいです。
飽くまで個人の感想ですが、本作は序盤のリデルちゃん視点のDV描写のケアを70話かけてやる構成に感じました。ミステリーのヒント出しではないです。
オスカー様は終始傷を持ち無骨で不器用だけど愛情深いスパダリだけど勘違いされDV彼氏と描写されているように感じましたが、同時に勘違いDV彼氏モノを読んで来た身としてはかなり足りなさを感じるのです。
勘違いDV彼氏モノに必要なのはDV後可及的速やかな飴と考えます。
例えば弁当は断るのではなく弁当をテーブルにどけ、怪我をした手を取ったオスカー様が「弁当などどうでもいい、なぜ怪我をした!料理!?二度とするな!医者を呼べ!」だったなら酷いけど我々もあーはーんなるほどね!となるわけですし、放置ではなく看守のようにリデルちゃんを閉じ込めずっと見張っていたような描写ならば感じるのです。デレの波動を。お話できなくてもそばに置いたり傷つけるにしてもパーティーに出しておまえは喋るなとか2階席に置いて下に降りるな(他の奴らに虐められたら嫌だから)とか、あるやろ。もっと、人道的に言い訳できる何かが!!
しかし散々放置後のレイポ妊娠、マデのジェラやら色んな要素で病んでプレゼントの守り刀で自刃させるのは……あきまへん!!ガチDVにしか見えんやつです!!肉体関係については割と擁護無理!!
丁寧な宗教観もDVトッピングになっていて私の心の乙女ゲープレイヤー魂が震えています。あと教育云々からほんのり漂うネグレクトのかほり。
そんな感じで序盤読後の嫌な後味(特濃)が100話近くまで残ってしまったのがとても残念でした。
(正直やらかしが多彩すぎて読者はともかくオスカー様の回想を読んでいないはずのリデルちゃんがよくオスカー様を許したなと思いましたが惚れた弱みはやはり強いですね)
そして最後にもう1個だけ叫ばせて下さい。
正体にいっちゃんすぐ(タイム的に)気付くのがイーサンなのは!!駄目やろーーー!!
以上。お目汚し失礼しました。