第2話
私は死んだ筈だ。
なのに、おかしい事に背中に何かが当たっている感触があった。瞼から陽の光が差し込んでいる事が確かに感じられた。
一体何事だ。そう思い恐る恐る目を開けるとそこに、自然が広がっていた。
辺りは一面森が広がっていた。耳を澄ませば鳥の囁きが聞こえる。川の粼が微かに聞こえるということは、比較的川が近いのだろう。ふと背中を見ると、大きな切り株があった。私はこの切り株に寄りかかる形で寝ていたらしい。
少し離れた所に道が見える。取り敢えずその道を目指して歩いた。
どうしてまだ死んでないんだろ。
当然の疑問が脳をよぎる。
道は案外立派な道だった。道は石が敷きつめられていたし道幅も大きかった。人通りも結構あるらしく、現に目の前を馬車が何台も通っている。
そう、馬車が走っているのだ。観光用じゃない。本物の。
明らかに花楓が生きていた現代日本ではない。よく考えればまず石畳の道がある時点でおかしいが、馬車が普通に通るなんて明らかにおかしいのだ。現実から逃れる事が出来ない。
一体何があったんじゃ?
思わず口調がおかしくなる。
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