第4話
世界には、きみ以外には誰も歩むことのできない唯一の道がある。その道はどこに行き着くのか、と問うてはならない。ひたすら進め。 ニーチェ
困難を予期するな。決して起こらないかも知れぬことに心を悩ますな。常に心に太陽を持て。 ベンジャミン・フランクリン
そんな名言を脳で繰り返し呟きながらとっくに日も暮れ、月明かりの道標もない暗い夜道を一人進む。最早頼りは目の前に灯るランプのみであり、その心細さが平常心を蝕み、恐怖心を煽り立てる。
昔から暗闇が嫌いなのだ。どんだけいない、うないと言われても、
ひたすら、終わり無きとしか思えぬ道を進む。何処に向かえば良いのか分からず、やっぱり何処に向かっているのかも分からない。道案内の看板も、掘っ建て小屋も、人工物と言える物どころか、人の痕跡すら今歩んでる石畳の道しか見当たらない。
そんな状況だ。普段なら思いつきもしないような事を真剣に脳が疑い始めた。
"この道、本当はこの世在らざる道では無いのか"
下らない、と一蹴するような疑念であるが、生憎確かに殺された直後、何故今仮にも生きているかすら分からないのだ。
そんな一抹の恐怖を胸に、歩き進めていると、前に人影が見えた。漸く人に会えた、そんな安心からつい頬が緩む。
そうだ、この先どれくらいしたら泊まれる所があるのか聞こう。
そう思い走りながら人影に近づく。
「あ、あの。すみません。道教えてもらい、たい...」
そう声をかけるとソレは振り向いた。
暗闇に嫌になるほど目立つ真っ白な骨、そう、世に言う骸骨がそこにあった。
脳髄に電流のような衝撃が走る。
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