人世イロハ歌留多

北風 嵐

第1話

『人生いろはかるた』


「い」 色恋は捨たとまた拾い。


「ろ」 ろんより証拠、ラブホのマッチ。 

 

*百円ライターのない頃・・どこなとで貰うものではない。そもそも、置くな!


「は」 刃物なしで親殺す。


    父が私に言った言葉。今、心臓に刺さる。


 もう一つ


    はっきりもの言えと言ったら、「別れます」。


    これは父ではありません。


「に」 人間は・・上等にもなれるのに下等好き


「ほ」 惚れたら奴隷。


    「何でも言ってぇ~!」


「へ」 下手な絵と文書き日が暮れる


「と」 友が来る、楽しかった野郎ばっかりの青春。


「ち」 考え中・・応募して~!


 「ち」知恵絞り、いいろいろ思案のいろはがるたかな。Yさんよりのお助け。

  もう一つ応募、

  「ち」 違った人生歩みます昔恋人が言う。

  これに対して私は、思わず「殺せ、そんな奴」とコメントを返してしまった。

    

「り」 りんご飴 ふたりで舐めた 夏祭り。


「ぬ」 ぬらりくらりと言い訳ばかり。


    ぼ、ぼくではありません。せ、政治家君です。


「る」 ルンルンきぶんの通信簿。


    ついにその日はこなかった。


「を」 をんなの涙は乳房にたまる。


    をとこの涙?流しちゃならぬ!


「わ」 わかっているんだ、でも聞けないんだ。

    

わかれだね、わかれるよといつまでも未練。


「か」 かれんだったのは、一年と半年。


    女は子をもって母となる。


「よ」 夜中に起きて飯を食らう、われは69才。


「た」 たよられた昔が懐かしい。


「れ」 れんげ草つんで君の簪に。


「そ」 それを言う、言ってはならないことがある。


    *どんなに辛くとも心の中に仕舞える人が立派(自戒をこめて)。


「つ」 つらいね、つらいねと聞いてあげる人でない。


    人が辛さを語るとき、ただ「辛かったね、よく我慢したね・・」と聞くだけでいい。余分なことは言わない(これも自戒をこめて。)


「ね」 眠れぬ夜こそ自分を解き放せ。


    そんなこと・・野獣になってしまいまっせ!


「な」 奈落のそこに目を伏せる。


    伏せても落ちなんだら結構。原発のことでっか?


「ら」 ラムネを飲んで昭和を思う。


    安上がりやね。


「む」 ムム・・ムー、カルタの先は長い。


「う」 うるさき人あって、人の道。


「ゐ」 ゐろゐろあったね、君と僕。


    エロエロはなかったわ。それはどこでなさったの?


「の」 のんびりと行こうよ、あとわずか。


    いいのよ、急いで先に行ってくれても・・よ。


「お」 おのつくもの、おんなにお母さん。


    お父さんも入れてくれ!


「く」 くしん惨憺、アホないろはカルタ。

 

「や」 やっと出来たぜ、いろはにほへと。


「ま」 まー、こんなもんだぜ、いろはにほへと。


「け」 けなげなり、まだ生きている。


「ふ」 ふがいない、俺を許せといいカッコ。


「こ」 これで許せと、指輪買う。


    ええ大切にしますw、お別れ記念に。


「え」 ええ女過ぎて、不幸なり。


    いまの女房で我慢しませんか・・


「て」 てんてん手鞠の手がそれて、


    どこを触っているのよ!


「あ」 あさましき夢みて目が冴える。


「さ」 三振もホムーランも同じと、三振ばかり。


「き」 綺麗だと思った最初に逢った日だけ。


「ゆ」 夢を持てと青い鳥。


    *涙流して帰り来んとは知らなんだ。


「め」 女々しいと、父は言い訳聞かなかった。


「み」 味噌汁の味でわかる、愛の濃ゆさ。


    *うちは最近とみに薄い。塩分控えめだってさ。


「し」 知っているのにしらんふり、不気味な嫁。


    *ばれたかな、あのこと?


「ゑ」 縁日に握り締めたる百円玉、落として泣いた。


「ひ」 ひとそれぞれの人生かるたかな。


「も」 モウーすぐと思えば坊主も親愛なり


「せ] せんせい、安倍くんに変な平和主義おしえたでしょう。


「す」 スンマセン、これでサヨゥ-ナラ。


    「ん」が抜けたよ、ん・・そうだね。僕はいつも抜けている。


 

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人世イロハ歌留多 北風 嵐 @masaru2355

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