期間限定探偵ごっこ 後編

『それでは第二の謎です。

私がここに来たのは人に会うためなんですよ、さて、それは次の内誰でしょう?

一、同じクラスの人気者、Aちゃん

二、隣クラスの中心人物、B君

三、他校の有名人、Cさん

今回は先程のような質問は受け付けません。解答チャンスは一度きりそれでは猫柳探偵どうぞ!』


「今回は三択問題なんだな。」


『はい、三択です。正解率は三分の一ですよ』


「なあ、これって…」


『はい!ダメでーす!一切の質問は受け付けませんよ!自分で考えてください。』


「……。」


≫ 正直、全然わからん…情報が少な過ぎる…。

とりあえず気になる点をまとめてみよう。

まず気になるのは、少しずつ距離が離れていってる所だろうか?

呼び方がバラバラなのも気になるな。

Aは、ちゃん付けな事からそこそこ親しい間柄なのだろう。

Bも同じく、しかしCに至ってはさん呼び、親しい間柄ではないのだろう、そもそも他校の人間だしな。

となるとAかB二択に絞られる訳か……いや、まてよ…


『猫柳探偵考えてますねー。難しいですか?ギブならギブでも良いんですよ?』


「さっきから、その煽るのやめないか?………まあいいや、答えは三、他校のCさんだ。」


『ほほう、理由を伺っても?』


「俺がお前を見た事がないからだ。違うクラスや学年だったとしても一年も同じ場所に通っていれば見た事くらいはある筈だろ?お前みたいなやかましい奴なら尚更だ。」


『普段は大人しいのかもしれませんよ?』


「それでも、全く見た事がないって事はないんじゃないか?クラスの人気者や隣クラスの中心人物と仲が良いみたいだし。だから俺の答えは三。」


『成る程…………はい!正解でーす!おめでとうございます!猫柳探偵。』


「うん…………で、まあそうなるともう一つ謎が浮上してくる訳だが…なあ、犬束…お前本当に誰だ?」


『では次の謎はソレにしましょうか………と言いたい所でですが、残念!その謎を解くにはもう時間が足りませんね。猫柳さんが探偵なのは昼休みの間だけですから。』


「…………俺は不審人物がいると、教員に伝えるべきなのかな?」


『構いませんよ?それは、お任せします。』


「…………やめとく…面倒事に巻き込まれたくないし、俺はもう探偵じゃなくてただの学生だ、学生は勉学に励むとする。」


『そうですか……ねえ、猫柳探偵。』


「何だよ?」


『また、遊びましょうね。』

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昼休みの探偵 鳥の音 @Noizu0

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