わかる人にしか共感出来ない絶望が美しくて鮮烈だと思う

ニコの絶望も、綾乃の絶望も、ユリアの絶望も、リンカの絶望も、真の絶望も、
優劣を付けるべきじゃないし、等しく彼女達の心を殺した絶望なんだと思う。

ただそういう風に心を殺した女の子達が、それでも楽しみとか尊い何かを見つけて同じ世界を共有しようとしているのがとても良かったです。
誰にも同情する権利なんてないし、理解されなかったとしても。
彼女達の中で、分かり合えずとも寄り添いあえたなら、それが救いになると良いし、なって欲しい。
読み切った後にはそういう確かな鮮やかさがあってそれがとても尊いものだと思いました。本当に、鮮やかでした。

コミカライズで数話読んでから原作があると知りこちらに流れてきましたが、文章でしか得られない美しさのある物語でした。
詩的でもあり生々しくもある文章表現と、簡潔なテンポ感の良さがバランス良く読みやすく、とても素敵だと思いました。
読めて良かったです。

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