吸血鬼と紫の魔法

作者 西秋 進穂

精神と肉体

  • ★★ Very Good!!

 吸血鬼とは因果な存在である。ブラム・ストーカーが描いたドラキュラのような超越的存在は、コッポラ監督によってより人間的な色彩を加えられ、アン・ライスとニール・ジョーダン監督は不死に基づく倦怠を描いた。
 翻って、本作は吸血鬼の持つ……またはもたらす……悲哀を端的に描き切っている。作中でしばしば描写される闇の中の目は主人公が読者に向けて放った自己の存在意義の訴求であろう。それは不死(厳密には不死性)から死と生を覗く為の窓でもあった。詳細本作。

※文中敬称略

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

マスケッターさんの他のおすすめレビュー 1,066