唯一ある時計の停止。次々に起こっていく異常事態。王女と少女の奮闘物語

国に唯一ある時計台。その時の刻みが止まってしまった――。
時も止まったわけではない。陽は沈んでは昇る。
けれども、大きな秩序の乱れに繋がりかねない事件。
王女は秩序を保とうと奔走するが、彼女の目の前に、自分とそっくりな不思議な少女も現れて……。

王女アウロラと、「遠い場所」から来た少女ウェスペル。
出会うはずのない二人の物語です。

この物語はファンタジーですが、派手な戦いや冒険をメインにしたものではありません。
読んでの個人的なイメージですが……登場人物達が、国で起きている異常をどうにかしようと、城内や街を必死で奔走しているイメージの物語です。
その国の美しい風景や、生き生きとした街の人々の様子が、とても素敵です。読めば読むほどに惹かれていきました。登場人物一人一人も魅力的で、一人一人が生きている・生活していると感じられました。
しかし時計の停止をはじめとした異常事態は次々に起こっていきます。その異常事態をどうにかしようとする様子も、丁寧に描かれています。時計は止まっていますが、不思議と時間の流れを感じられるのです。

とても素敵な物語でした。

その他のおすすめレビュー

ひゐ(宵々屋)さんの他のおすすめレビュー40