四つの不思議な物語

この小説は、一話完結の短編集です。
一つは奇妙な街を、人々に嫌われながらも彷徨う少女の物語。
一つは壊れた人形を直そうとパーツを集める、美しい人形の物語。
一つは贅沢の限りを尽くす女王と、何でも願いを叶ることができる付き人の物語。
そして最後の一つは、OLと幼い少女の声で話す自販機の物語です。

どのお話も、不思議な雰囲気が魅力的です。
特に私が好きなのは、二話目の「メアリーの歯車」です。
美しい人形メアリーが、失敗作として積まれた一体の人形に「アデーラ」と名前をつけて、彼女を直そうとする物語です。
メアリーの狂気でもある必死さが好きです。メアリーはアデーラのために、何でもするのです。

ぜひ読んでもらいたい物語です。