目に見えないものは絶対に信じない中学二年生の女の子、夏祈。しかしなぜか、事故で死んだ幼馴染みの男の子、聖也の声が聞こえてきて。
突然の出来事に戸惑い、医者からは統合失調症と診断されてしまう始末。
本当は病気じゃないのに、療養のために訪れたのは祖母の住んでいる島。そしてその島には小さいおじさんの姿をした妖精さんが住んでいて……
幼馴染みの死から始まるお話ですが、雰囲気は暗くなりすぎず、明るい気持ちで読むことができました。
まだ大人になれていない、中学生らしい未熟さを抱えている夏祈。死んだ聖也と向き合って、おじさんと過ごして少しずつ成長していく、少し不思議な夏の物語です。
目に見えないものは絶対に信じない主人公の目の前に、事故死したはずの幼なじみが現れた。
大切な人と突然の別れ、その人が幽霊となり再び目の前に現れたなら……。
もしも私なら、やはり逢いたい、もっと話をしたい、もっと一緒にいたいと願うでしょう。
主人公もまた、幼なじみとの再会にパニックになりながらも、嬉しい半面寂しさも。
切ないストーリーですが、どこかほのぼのとしているのは、小さいおじさん(妖精)の存在です。
口調も人柄も穏やかであたたかみのあるおじさん。
まだ読書途中ではありますが、どんなラストが待ち受けているのかとても気になる作品です。
(52話 拝読後のレビュー)