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概要
世界は列強国家たちの醜い争いで支配されている。一人の人間が、その人生一つを捧げるほどに長く、途方もない年月の中、今も尚、炎は世界を枯らして、真っ黒に積み重なっている。列強国家の一つ、ブリンク帝国、その国もまた、一度手に入れた栄華を手放すまいと、醜く世界に抗っていた。永劫を、不変を、何一つ欠けることない幸福を、人は求める。ブリンク帝国の属国・クリミアは、今も争いに苦しめられていた。不平不満を心に抱えながら、しかし、抗うことも出来ず、圧倒的な武力の前に降伏せざる負えない、といった状況が十何年もの間続いてきた。そんな国に住む純粋で清らかな女・フローレンス・リーシャは、国随一の看護学校を首席で卒業、国立病院で働き始めていた。
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