第5話 あれ?俺もしかして強い?
俺は知ってしまった、
彼女が魔王であることを
彼女は知ってしまった、
俺が転生社員であることを
「貴様、あそこの頭のおかしい社員か!
お前も妾を苦しめるのか!」
俺の他にも社員が送られていたのか、
それなら俺いらんじゃん!
帰りたい、ていうか帰して!
「まぁ、俺たちの目的は王国に敵対する魔王軍の無力化だからな」
普通は俺も王国にいくはずだったのに…
転送先ミスったのかな
「まぁいい、それがわかったから良いとしよう。」
彼女、リリスは深い深いため息を吐くと、
じっと俺の方を見つめてきた。
じーーーーーーー
お前はどうなんだ?みたいな目線やめて
「貴様、手を貸せ」
言われた通りに右手を差し出すと、
ガブッ
いった!?噛まれた…
リリスは俺の指に噛み付くとチュウチュウと
何かを吸い始めた、
「おい、いくら俺が魅力的だからって
指を噛むのはどうかと思うぞ」
「違うわ、阿呆!印文をつけただけじゃ!」
印文?なにそれ?ていうか何勝手に変なもんつけてんだよ。
「貴様はこれから、妾から離れると3日で死ぬようにしたぞ」
マッ!?
「なにしてんだよ!この、印文?早く解いてくれ!」
「貴様が魔王軍の傭兵として働くならいつか、外してやらんこともないぞ?」
せ、せこい…
断ったら死ぬとか最悪じゃねーかよ
「わかった、死にたくないからな、
やるだけはやってやるよ」
こうして俺は、リリスの、魔王軍の傭兵になった。
________________________________________
「貴様、あそこの社員だからってLV1はないじゃろう、大丈夫なのか?」
「多分な、というか無理になったら
あんたを盾にして生き延びてやるよ、
印文も無くなって魔王も死ぬ、
一石二鳥というやつだ。
リリスが貴様を傭兵として雇ったが実力が無ければ処刑だからな!
という事で、実力を見せるべく魔獣狩りに来ていた。
さっき、恐ろしい熊の技をパクれたからいけるだろう。
無理なら本当に盾にしたらいいし、
そんな事を思っていると城から森に入った。
よく見ていなかったが、この森は高さ10メートルを超える木々が日の光を隠すように生息していた。
「あれならいけるだろう、この森では一番弱い魔獣だ」
魔獣と魔物は一緒じゃないのか?と聞いたら、あんな汚らわしいのと一緒にするな!と怒られてしまった。解せぬ
だが、これくらいなら…
その時、リス型の魔獣が消え、ゴシャという生々しい音が聞こえる。
「おい、嘘だろ?」
さっき俺が出くわした大型の魔獣
–デスイーターだ
奴が今食ってるのってさっきのリスか?
あはは…
ソンナワケナイヨナー
「あ、おい!森の王ではないか!?
おい、なんとかしろ!早く追い払って!」
やめて!なにその物騒な名前のモンスター、
絶対あっちゃダメな奴じゃん!
「うるさいな!そんな事を言うなら武器なり何なりよこしやがれ!」
するとリリスの左手から装飾の施された剣が現れる、
武器召喚
変わったスキルを持ってんだな、あとで試してみよう。
あとがあればだが
クソ、こうならヤケクソだ!
「ソウルリッパー!!!」
デスイーターが使っていた技を剣で打ってみる、
すると、空気を切る音とともに、デスイーターの首が弾け飛ぶ
パンパパパーン!
軽快な音楽とともにレベルが18に上がった。
「やるではないか!うむ、特別に褒めてやるぞ!」
模倣魔法、強すぎる!
これなら処刑されずに済みそうだ、
その日の夜は熊鍋でした。
案外美味かった。
異世界調整委員会〜金と女目当てですが何か?〜 龍大悠月 @rader25252
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