まほうの、おわり。
次の日、学校に行ったら全ては丸く収まっていた。
ありさちゃんの好きな人が変わる問題とかは、解決。
一番最初に好きだった人とよりを戻したって聞いた。
高園寺さんのおまじないがよく効くって噂も消えて行列も消えた。
まるで、高園寺さんがおまじない屋さんをしてたって事実がなくなったみたいに。
多分、キヨセさんが黒まじゅつを解いてくれたんだね。
そして黒原くんの家から消えた書物たちも、戻ってきたみたい。
正式には、キサラおばさんの店の前に、どさっと置かれてたって。
今更家のどこかに戻すのもどうか。
そう思った黒原くんは、キサラおばさんの家に寄付したんだって。
キサラおばさんはいらないって言ってたみたいだけど。
高園寺さんは、約束通り、キサラおばさんの弟子になった。
まじょ仲間がまた増えて。あたし、とーっても嬉しい。
そして、絵美ちゃんは。
キィラさん、いや、絵美ちゃんのおばあちゃんの弟子として、まじょになった。
キィラさんはもう年だからって、キサラおばさんを世話係に任命したみたい。
すべてがすべて、順調、順調。
放課後。
黒原くん、星谷くん、絵美ちゃん、高園寺さん、あたしの五人。
みんなでキサラおばさんのお店に向かう。
キサラおばさん、扉を入るなり不機嫌に言う。
「アンタたち、まほうせきは貯められてるんだろうね?」
弟子のデキが悪いとこっちに迷惑がかかるんだよ。
そう言って、あたしたちにまほうせきの入った小瓶を出すように言う。
特になんのためらいもなく小瓶を出すみんな。
それぞれの手に握られた小瓶には、最低一つのまほうせきは、入ってる。
その一つ一つを確認したあと。
キサラおばさんがあたしの前で止まる。
「立夏、アンタのを見せな」
あたし、そーっと、キサラおばさんの前に小瓶を出す。
小瓶の中身は、空っぽ。
だって、昨日の学校の宿題をするのに全部使っちゃったから。
キサラおばさんの怒号が店中に響き渡るのは、その数秒後のことだった。
♦︎♢
まほうって、ほんとに不思議で、でも面白い。
まほうとの出会いは、案外近くに落ちているかもしれないよ?
実は気づいていないだけで、キミの大親友がまじょってこともあるかもね。
これは、まじょになったあたしの物語の、ほんの一部。
また、機会があったらもっと色んなお話、聞いてほしいな。
その日を、楽しみにしてるね!
(了)
まじょ小学生は、宿題でいそがしい 工藤 流優空 @ruku_sousaku
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