第28話 感電レポート&目のケガ
こんにちは。
最近はコロナが落ち着きて来ていて、やっと一息…… つけない救急病棟の朝樹でございます。
コロナが減って、外出する機会が増えたのか外傷が多いのですよ――!
……と言う訳で、ゆきのさんの外傷体験でございます。
私は言ったはずです。ネタはもう十分だと。
それを覚えているのかいないのか、……ゆきのさん。
初詣は念入りに行ってきて下さいませ……。
◇ ◇ ◇
私には感電経験があります。 ←はぁ?!?
はい。経験者求の求人情報が増えても、たぶん絶対優遇されない経験者だと思います。本当に感電したのに。くやしい。
↑いや感電経験者を募る求人ってドコ?!
けれど……感電……それは意外な日常に潜むトラップ……。けして他人事ではないのです……。
↑トラップじゃないから!普通の生活常識だから!!
始まりは自室で火を噴く電源コードでした。
↑はぁぁぁっ?!
当然ながら私は焦りました。
「火事になっちゃう!」
↑119だっ!消防だ!
そんな思いから、必死にコードをコンセントから抜こうとします。
↑ちょっとぉおぉ―――!!!
そこでビリビリ。
はいきました、ビリビリ。
あれはなんというのでしょうか。超強力な炭酸が手の中ではじけたような感触でした。
↑当たり前だ。
驚いて手を放す私。
あいかわらず火を噴く電源コード。
「火事になっちゃう!」→ビリビリ→手を放す。
これを数回繰り返してなんとかコードを抜きます。すると、無事に火も消えました。
↑…………頼むから自重して…………(涙)
よかった……と息をついたのもつかの間、「感電したら死んじゃうんじゃない?!」という強烈な恐怖が私を襲います。
仕方ないので翌日、学校の理科の先生に「家のコードで感電したけど死なないでしょうか」と聞きました。
先生は笑って「家庭用電源の電圧では普通は死なないよ」と教えてくれました。一安心です。
↑死ななくても火傷をすることはあります。
ただそのあとに、
・電線などで感電するのは本当に危険!
・素手で触らない!電力会社に連絡するか、やむを得ない場合は木の棒など絶縁体でつついてなんとかすること!
と教えてもらいました。
感電の怖さや細かい対処は朝樹さんに教えてもらうとして!私がこの経験から言えることは「素人は感電してはいけない」です。当たり前のようですが心からのお願いです。
あの「ビリビリ」は本当に何とも言えない恐怖でした……。
◇ ◇ ◇
……と言うことでございました。
確かに家庭用電源では、普通は感電死はしないと思われます。
が、決して皆さまはゆきのさんの様な「素手で触る」と言う無謀なまねはしないでください。
細かい対処と言っても、火を拭くコードは普通素手では触らないと思いますが……
どうしても触りたい時はゆきのさんの言うように素手じゃない方法で、割り箸とか使ってみるなどで対応して下さい。火が大きくなる前に消防を読んで下さいませ。
感電してしまった場合、表面は火傷のような症状ができる事があります。
電撃症の恐ろしい所は、見えない所、深い部分まで火傷?をしてしまうことです。
何だか表面は何ともないのに腫れて痛い、手足が動かしにくい。こんな症状があれば病院へ!
そして今回の一番の突っ込みポイントは『自室で火を噴く電源コード』でございます。
火災の原因として、トップはたばこの不始末なのですが、次に焚火、コンロ、放火と続きその下は配線コードなのは御存知でしょうか?
たこ足配線とか聞いたことありますか?
あれ、結構危ないことやっちゃってるんですよね。
あと、壁のコンセントにしっかり刺さずに隙間がある場合、そこに溜まった埃で発火する場合もあるようです。今はコンセントカバーとか売っているのでぜひ活用して下さい。
調度年末の大掃除も控えております。
自宅の電気配線を見直していただけたら、ゆきのさんの体験も無駄にならずにすむと言うもの……
……無駄になって欲しいケイケンですけど……
そして。
家庭用電流では死なない、と言うお話が出たので、死ぬ可能性が高い電気のお話。
はい。
雷です。
これはシャレになりません。
当たり前ですがガチで死にます。
運が良いと火傷だけで済む場合もありますが、たいてい死にます。
これは「電撃症」と言われ、雷の通った経路で生死が分かれます。
体表面が濡れていたりして皮膚を通って地面に電流が逃げてくれれば、大やけどはしますが死なずに済むことがあります。
身体の中、心臓近くを雷の高電流が流れれば、心臓なんてその瞬間止まっちゃいます。
なので、特に登山などをされる方。雷には十分気をつけて下さいませ。
雷の避け方とかはゆきのさんの方が詳しいかな?
それと。
さっきの感電体験にはおまけがついておりました。
……ゆきのさん……
◇ ◇ ◇
今回は短めなのでおまけの体験談です。
鏡で顔を見ていたら、光彩(眼球の黒目の部分)が部分的に白く変色していたことに気づきました。
え、なにこれ、やばい?!
慌てて眼科に行きました。さすがに眼球の異変は寝ても治らないことはスタローン・ナナサワにもわかります。
↑よ、良かった。病院へ行くと言う選択肢があって。
すると眼科のドクターから思いもよらない一言が……!
「白いのは軽い傷ができて、治癒した後ですね。心配ないですよ」
「(よかった)はい」
「ところで眼球に大怪我したことありますか?」
「ないです」
「でも大怪我した傷痕がありますよ、ここ以外に「二か所」」
……久しぶりにぞっとした瞬間でした。
◇ ◇ ◇
と言うことで、いきなりの眼科編です。
夜間の救急外来には眼科にかかりたいと言う相談電話が結構かかってきます。
でも眼科の先生は自宅からの呼び出しなので、症状を聞いて、眼科の先生に電話連絡して必要がある場合は来てもらうことになっています(私の勤務する病院の場合)。
夜間、眼科を見てくれる病院はすごく少ないです。
可能な限り日中受診しましょう。
ここで、『すぐに受診しなければいけない場合』の例をいくつか書いておきます。
これに該当する時は、大学病院に連絡してでも受診した方が良いかもしれません。
・目に何か入って痛い。→ 水道で目を洗って安静に。ただし職場が鉄粉や木くずが舞っているような場所なら受診が必要です。(手術室での異物除去をしないといけないです)
・目をぶつけた後、見えにくくなった。
・化学薬品が目に入った。
・頭を打った後、目が見えにくくなった(これは脳外科の可能性あり)
・物が二重に見える
上記のキーワードに引っかかったら救急車も考慮して下さい。
聞こえますか― 救急車も考慮するんですよ― ゆきのさーん。
今回は以上です。
参考文献
小池伸享.救急看護のポイントブック.照林社.2019年.P175電撃症
日本救急医学会.電話救急医療相談プロトコール.へるす出版.P60眼の外傷 他
七沢ゆきの&朝樹のなんちゃって医療エッセイ~またまた三途の川ツアーしてきました~ 七沢ゆきの@11月新刊発売 @miha-konoe
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