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  • 第二十四話 後始末への応援コメント

    読了致しましたので感想を。

    普通に必殺してる内容で良かったです。
    (1)は復帰話だから、やや変則的でしたし。

    誰が仕置対象で、誰が依頼人なのかと考えを巡らせてしまう展開も面白かった。

    ニュース屋さん、最初彼女が黒幕で、仕置対象になる展開も想像してましたが、最終的に「彼女は真のジャーナリスト魂を持った人間だった」と分かる展開が熱かったです。
    疑いを持った分、余計に。(スマンカッタ!)

    前の感想でも言いましたけど、今回の標的は内面の描写シーンが長かったので、どれだけ思い上がってて、どれだけ許せない奴なのかがしっかり伝わって来たのが好印象。
    仕置シーンで「こいつだけは許してはいけないよな」って思わせてこそですからね。

    標的の行動、心の動きで特に面白かったのは、少年たち3人がアリカムの指導の下、外道に「開花」するシーンでしょうか。
    あそこで「ああ、もうお前ら地獄行きしか道は無いよ」って思ってしまうのが良かったです。
    読者が彼らに匙を投げる展開。
    仕置されるシーンでひとり命乞いしてましたが「見苦しい」の一言ですわ。
    外道に堕ちたんだから、もうその運命は変えられないっての。

    作者からの返信

     山川海のすけ様、コメントありがとうございます。レビューもありがとうございました。
     自分でも1作目はシリーズ第1話独特の変則要素があったと思うので、こちらの方が基本に則っていた、というのは納得です。読者と作者の見方が一致したみたいで嬉しいです。
     こういう物語は、早い段階で「こいつが仕置対象」というのを見せておいた方読者が安心できる、みたいな感想を(シリーズのどこかで)以前にいただいたことがあります。それはそれで私も同意できるのですが、作者としては、同時に「完全に分かってしまうと面白くない。少しは意外性も含ませたい」とも思ってしまいます。その点、この作品ではニュース屋が「仕置対象側か? 犠牲者側か?」という思わせぶりなキャラですからね。以前にも「疑っていました、ごめんなさい」みたいな感想をいただきましたし、私の想定以上に良い感じの『思わせぶりなキャラ』になってくれました。

     時代劇の必殺を見ていると、私は時々、仕置対象の一人を「仕事人チームの人数に応じた、数合わせ」みたいに感じて、「あれ? 話の都合で仕置対象になっている?」と思う時がありました。だから自分で書いていて「殺されて当然の悪役が殺される」というのは貫きたかったですし、シリーズの中でもこの作品は、特にそうだったと思います。大人たち三人もそうですが、特に子供たち三人。主人公側が子供を殺す話になるので、特に気を使いました。その辺りを『外道に「開花」するシーン』として評価されたのが、とても嬉しいです。これも必殺好きならではの感想だろう、と感じました。

  • 祝宴の最中に仕置されるのは基本ですよね。
    で、味方のふりして背後から襲うのもまた基本。

    作者からの返信

     山川海のすけ様、コメントありがとうございます。
     あまり意識していなかったのですが、確かに『祝宴の最中に仕置されるのは基本』ですね!
     なお『味方のふりして背後から襲う』の方は、思いっきり意識しながら書いていました。仕置対象が同僚(この作品でいえば騎士、必殺でいえば同心)の時点で、もう「是非これをやりたかった!」というくらいです。

  • やはりこのぐらい見苦しくないとw
    素晴らしい最期でしたw

    作者からの返信

     山川海のすけ様、コメントありがとうございます。
     一戦目は、実は少し心配でした。「呪い殺される、という見え方で始末する」というのが、悪くするとコントみたいに見えるのではないか、後期必殺にあったコミカルな部分っぽいのではないか、という心配です。
     でも「見苦しい」と解釈していただけたようなので「その心配はなかった、こちらの意図通りの内容が伝わった」とホッとしています!

    編集済
  • 良い感じですね。
    必殺のテーマソングが頭の中で鳴ってる感じでした。
    (依頼人が無残に殺される、凌辱されるときに流れるやつ!)

    特に最後に仕事を託して息を引き取るあたり。

    作者からの返信

     山川海のすけ様、コメントありがとうございます。
     このシリーズを書いている時は、私も必殺のテーマソングがいくつか頭の中で流れます。特に各作品の終盤ですね。依頼人が殺される・依頼をする、仕置チーム出陣、仕置きシーン、エピローグなどなど。
     何度か「なんとなく流れているけれど、この脳内BGMは具体的に、どの必殺で使われた、なんというタイトルのBGMなのだろう?」と調べたこともあるくらいです。

  • 第二十話 反撃への応援コメント

    なんとも香ばしい外道どもですね。
    やっぱりこうでないと。

    作者からの返信

     山川海のすけ様、コメントありがとうございます。
     まさに外道です!
     登場人物の立場から見たら可哀想な場面ですが、悪役の悪役ぶりを強調すればするほど、読者が犠牲者を悲しく思う気持ちも強くなるのでしょう。その意味では、作者として書いていて楽しい場面でもありました。

  • 第十八話 呪いという形でへの応援コメント

    やっぱり、このぐらい思い上がってて、頭悪くて、それでいて権力でゴリ押しするタイプの悪党の方が仕置しがいがありますよね。
    仕置されるときにどんなリアクションを返してくるのか今から楽しみですw

    作者からの返信

     山川海のすけ様、コメントありがとうございます。
     悪役は悪役らしく書いてこそなので、作者にとっては『このぐらい思い上がってて、頭悪くて、それでいて権力でゴリ押し』は嬉しい言葉です。
     仕置場面がご期待に添えるかどうか、今からドキドキしています!

  • 第十四話 埋葬への応援コメント

    頼み人のアテがついてしまった以上、運命も決まったようなものですな……
    最悪の未来しか見えませんわw

    今回の話は相当ゲスいような気がして、ワクワクしておりますw

    作者からの返信

     山川海のすけ様、コメントありがとうございます。
     確かに、必殺脳で考えると、頼み人のアテがついた段階で、依頼人の末路も予想できるのですよねえ。

     なお、この段階で『今回の話は相当ゲスいような気がして、ワクワク』と言っていただけるのは、とても嬉しいです。以前に「1作目より2作目の悪役の方が悪事のスケールが小さいので小物」という感想をいただいたことがあり、「なるほど、そういう見方もあるのか」と、作者としては新鮮な気持ちでした。私自身は「こちらの方が人間臭くてゲスだろう。悪事のスケール云々とは別次元で、感情的に大きな悪だろう」と思っていたからです。今回のコメントで、山川海のすけ様の見方は私の感覚に近いのではないか、と思えました。

  • 第十一話 残された人々への応援コメント

    さぁ、こいつが仕置対象ならそりゃあ、カタルシスありそうですけど……どうなんだろう?<アリカム

    作者からの返信

     山川海のすけ様、コメントありがとうございます。
     仕事人的な物語では、確かに、仕置対象が外道であればあるほど、カタルシスに繋がりますね。
     主人公側だって殺し屋である以上、善人ではないわけで、皆どこか悪な一面を持ったキャラだらけの中で「誰が仕置対象になるのか」というのも、こういう物語の楽しみの一つなのでしょう。

    編集済
  • 第十話 ひとつの終わりへの応援コメント

    ファバ、死んだか……死ぬと思ってましたよ……

    問題は「何故死んだか」

    悪霊が実在しているとは思いませんよ。ええ。
    一応、頭の中で真相の候補はあるんですが、それだとすると、やった奴がゲスすぎるというか……

    その場合はもう、仕置案件以外無いですね。

    作者からの返信

     山川海のすけ様、コメントありがとうございます。
     作中では一応、

    >通りを歩く見知らぬ人たちも全て、ぼうっとした白い人影、つまり『悪霊』に見えるのだった。

     と書いていますが、問題は「全ての『悪霊』が見間違えに過ぎないなのか? それ以外もあるのか?」という点ですね……。

     いずれにせよ、ファバは物語の展開上、生き残るパターンを考えられませんでした。仕事人的な物語フォーマットでは、どうして『犠牲者』が出ざるをえません。この辺りは、読者の方々も想定済みの部分でしょうね。

  • 第八話 騎士の夕食への応援コメント

    ピペタがラヴィの好意を「部下と上司の関係を出ていない」って積極的に思い込もうとするのは、自己洗脳もあるのかなと思いつつ読んでます。
    裏家業なのに、万一のときに巻き添えになる人間増やしてどうするの?と。(自作でもそういうキャラクター出してるので)

    しかし、ここにきてアリカムの選民思想。
    これはあれか。

    ……一家揃って仕置とか。
    ホラ、ちょうど人数3人だし……

    作者からの返信

     山川海のすけ様、コメントありがとうございます。
     漫画やラノベによくある鈍感系主人公にはしたくなかったので、「思い込もうとしている」と解釈していただけたのは嬉しいです。おっしゃる通り、裏の人間だから、というのを意識して書いていました。

     アリカムの選民思想も、時代劇の「町人を見下す武士が出てくる」のイメージでした。アリカム個人のキャラ元としてはそれだけではないのですが、やはり時代劇の影響が強かったのだろう、と思います。特に、勧善懲悪系の時代劇よりも、必殺みたいな「悪人が悪人をやっつける」系の時代劇で、そういうのが多い気が……。そういう時代劇では、町人を見下す武士は、当然のように視聴者のヘイト対象なので、末路は決まっているわけですが。

  • 第五話 父親は語るへの応援コメント

    優先順位おかしくない?<ファバの父親
    いじめられてても、いじめてくる奴との人間関係大事にしろとか。
    イミフに思えますなぁ;

    力を求めるあまり、間違った方向に行ってる親に見えますねぇ;

    作者からの返信

     山川海のすけ様、コメントありがとうございます。
     ここは書き方が悪かった、と反省しています。
    「騎士の世界でもコネは重要だ」に対して『「はたして、そうだろうか?」と疑問を感じていた』という記述を入れたのだから、その疑問視の対象が「人間関係を重視し過ぎ」という点まで明確にかかるように書くべきでした。
     その前の部分でゲルエイが『人一倍レグが人間関係を重視するのは、彼の『野菜売り』という職業のせいかもしれない』と納得してしまったように書いたのがミスですね。ここで「ゲルエイ自身はその考え方に共感できないが、なぜレグがそんな考え方なのかはわかる」という書き方にしておけば、『間違った方向に行ってる親に見えます』というのが、もっと作中でも示せたのでしょう。
     改善のポイントとして、覚えておきます!

  • まあ、ワルガキ三人が呪われて悲惨な目に遭うのは自業自得だけど、ファバはそれ以上に悲惨な目に遭いそうだなぁ。
    ……というのが私の見立てです。
    こういう苦労人のキャラは破滅するのがお約束だしな……

    作者からの返信

     山川海のすけ様、コメントありがとうございます。
     同じ「肝試しで呪われる」であっても、自業自得の場合と、そうじゃない場合があるのですよね。執筆中それを強く思っていたので、こうしてコメントで『自業自得』という言葉が出てくるのは嬉しいです。

  • 火種が一杯見えますね。
    どの人も、地獄に突き落とされそうな気がする……(訓練された必殺脳)

    作者からの返信

     山川海のすけ様、コメントありがとうございます。
     必殺を見ていると、序盤で仕事人チームそれぞれが別々の人々と関わって、それら全員が途中で一つの事件に収束する、というのが王道パターンの一つ。私はそう感じていましたし、そういうのが群像劇っぽくてワクワクするので、今回はあえて最初に『火種』を複数ばらまきました。
     まさに『訓練された必殺脳』で、依頼人やら標的やらが誰になるのか、どうぞ予想しながら読み進めてください。


  • 編集済

    企画で読みましたが、これ多分、普通に1作目から読んだ方が面白いような……
    登場人物とオチにちょっと困惑してしまいました。すごく面白そうではありましたが、設定が急に来るせいで個人的には疑問点が多い……っ。
    ちょっと待ってください。前作から読ませて! という気分でいっぱいです!

    作者からの返信

     祟様、コメントありがとうございます。
     作者としては「設定説明をし直しているので、シリーズのどこから読んでも大丈夫!」と思っていても、読者側からは『設定が急に来るせいで』となるわけですね。改めて、ファンタジーにおける世界観・登場キャラの説明の難しさを思い知らされました。勉強になる感想、感謝しています。

  • 第十一話 残された人々への応援コメント

    アリカムがロクデナシで、ファバが可哀想ですね。

    作者からの返信

     ありま氷炎様、コメントありがとうございます。
     この作品におけるファバは、本当に可哀想な役回りになってしまいました。挙句に、前半で退場……。
     一方、アリカム。序盤だけは「表向き、そとづら」を描写して、その後は徹底的に悪役として書いていたと思います。内弁慶とは少し違うかもしれませんが、職場ではまともな振る舞いをしておきながら、家に帰るととんでもないやつ。そういう人、現実にもいるよね、と思いながらキャラクター造形しました。どうぞいくらでも「ロクデナシ!」と罵ってやってください。

  • 第四話 呪われた少年への応援コメント

    ファバが可哀想

    作者からの返信

     ありま氷炎様、コメントありがとうございます。
     元々これは、ニコ生ホラーを見ていて思いついたストーリー。「呪いとは、なんと理不尽なことか!」という気持ちも込めて書いていました。確かに、呪われてしまった人は可哀想ですね……。

  • 第二十四話 後始末への応援コメント

    復讐屋シリーズでは一番気に入りました。
    ターゲットが下衆なのが良かったです。

    それと表面からは分からない心の奥底に抱えているものが出てきたときの黒さがいいですね。普段は一応きちんと騎士として勤めているのに、庶民を虫けらと考えているなんて、怖い怖い。

    作者からの返信

     新巻へもん様、コメントありがとうございます。
     まさか、シリーズ全作品(現時点での)を読破してくださるお方が現れるとは! 言葉で表現できないくらいに、深く深く感謝しています。
     三つ全てを読んだ上での感想という貴重なご意見。『復讐屋シリーズでは一番気に入りました』というのは、純粋に嬉しいと感じるだけでなく、「最後に一番美味しいものを食べてもらえた」というような、ホッとした気持ちにもなりました。一読者の個人的感性として済ませるのではなく、どうして『一番』と思っていただけたのか、作者目線でも再考してみたいと思います。
     もちろん、理由の一つは『ターゲットが下衆なのが良かったです』というお言葉の通り、きちんと悪役が悪役であったこと、なのでしょう。このシリーズで大事なのは「しっかりとした悪役を描くこと」だと、改めて感じました。
     また『表面からは分からない心の奥底に抱えているものが出てきたときの黒さ』というのも、嬉しいコメントです。なるべく人間の二面性を描きたい、と思っているシリーズですから。

    編集済
  • 第二十四話 後始末への応援コメント

    裏稼業(1)を先に読破させていただき、引き続き(笑)
    こちらも拝読させていただきました。

    こちらは、チャート企画ではないのですが、折角なので感想を…(^^;)

    (1)を読まなくても楽しめる内容ではあると思うのですが、
    やはり(1)を先に読んでいたので、メインとなる裏稼業の皆さんのキャラが
    掴みやすく、読みやすかったです。

    多分、こっちを先に読んでいたらキョウの存在は「唐突」な上に、
    何でこの子、ここに居るんだろう??と感じたかもしれません。
    しかし、(1)を知っているので、
    「あの4人」をもう「パーティ」と認識している為、違和感なく
    楽しめました。
    やっぱり、こっちが(2)で良いと思います。

    個人的には、依頼人が生きているパターンも見てみたい気がします。

    敵さんとしては(1)の方が素人でもわかりやすく「悪人」だった…と言うか、
    フォローのしようが無いくらいの悪事だったのに対し、
    (2)の悪人たちは小物臭がしました。(笑)
    「命を弄ぶ」感が薄いと言うか(苦笑)保身に走る感じとか、
    それはそれでいい味が出ていたと思います。

    逆にちょっと驚いたのがあの新聞記者の女性が…
    もっと性格悪い、えげつない感じにストーリーを引っ掻き回したり
    下手したら裏稼業まで嗅ぎ付ける系のキャラかと思いきや、
    想定外にイイ人でビックリしました。(苦笑)

    個人的な感覚ですが、この裏稼業シリーズは基本的に
    「ダウナー」傾向の作品だと思います。
    (最近の「なろう」系はある意味アッパー系だと思っています。
    ダメな主人公が成り上がって行く方向性です。それの真逆だと思います。)

    理由は、依頼人が恨みを抱くまでの過程がとても丁寧に
    そして、ほぼ時間系列順に描かれているからです。

    そうしますと、人によっては「そこまで恨みを募らせる前段階で
    主人公たちが何とか手助けしてあげられなかったのかな…?」と
    感じる可能性も少しあります。

    ※これは、一読者として自分がそう言う性格だからかもしれません。

    結局「恨みを晴らす」のが主人公たちの行動理由なので、
    「恨みを募らせている」段階では動けないのかもしれないのですが、
    その段階でもっと動いていれば、ここまでの悲劇は防げたのでは…?
    と感じるため、読後感の後味は「すっきり」とまでは行きません。

    一応、恨みは晴らされたんだけど、結局救われないなぁ…と言う
    印象が拭い去れない感じです。

    この辺りの感覚は好みの問題だと思います。
    技巧レベルですと、普段自分が読まない方向性(ダウナー系は特に苦手)にも
    かかわらず、結局するする読めちゃった(笑)ので、とても高いと思います。

    主人公が何でもかんでも解決してみんな幸せ、はいスッキリ~!みたいな
    「頭の悪い感じに一辺倒」なストーリーが苦手なタイプの方でも楽しめると思います!

    ありがとうございました!

    作者からの返信

     伊坂 枕様、コメントありがとうございます。
     最初だけでも読んでもらえたらいいなあ、と思っていたら、何と最後まで! しかも、こんなに細かい感想まで! 本当に感謝しています。

    >個人的な感覚ですが、この裏稼業シリーズは基本的に
    >「ダウナー」傾向の作品だと思います。

     私は元々「副業では前世の経験を活かして評価されていたけれど、本業の冒険者としては大したことないと思われていた主人公が、仲間を増やしたり冒険の旅に出たりして、ついには魔王討伐を成し遂げる」という作品(『「ウイルスって何ですか?」――ウイルス研究者の異世界冒険記――』)を書いており、特に当時は、それをライフワークにするくらいの心算でいました(現在は第三章の途中で一時停止しており、カクヨム版では、一人目の魔王を倒した第二章までで完結としましたが)。
     でも、その『ウイ何』では「敵モンスターは死ぬけれど、人間は死なない」という作風を作り上げてしまい「これはこれでヌルい世界観だなあ」と思っていたところで、裏稼業シリーズを思いついて、書き始めました。『ウイ何』で設定した魔法や地理などをそのまま利用して(あわよくば『ウイ何』へも読者を引っ張り込もうと考えて)、時代設定だけを変えて「ちょっと暗めの異世界ファンタジー」という意識で書き始めたのです。ただし自分では「コミカルな描写もあるから、ダークファンタジーとも違うような……?」と少し腑に落ちない感もあったのですが……。
     今回いただいたコメントを見て「なるほど」と思えました。ダウナー系。この言葉で、うまく言い表わせるのですね。アッパー系の『ダメな主人公が成り上がって行く方向性』という説明は、自分では対照的と思っていた『ウイ何』に当てはまりそうですし。

    >そうしますと、人によっては「そこまで恨みを募らせる前段階で
    >主人公たちが何とか手助けしてあげられなかったのかな…?」と
    >感じる可能性も少しあります。

     これは一作目でも二作目でも、書いている私自身、何度も思ったことです。だから一作目では主人公であるピペタ自身が後悔する描写を取り入れたくらいです。さすがにそれは言い訳臭かったかな、と今回は控えめにしたつもりでしたが、「いったん四人で集まっておきながら『まだ裏の仕事にはできない』と判断する場面」があった二作目こそ、四人が深く後悔する描写が必要だったのかもしれません(今から書き加えられないか、ちょっと考えてみます)。
     必殺シリーズのテレビドラマを見たり、小説の『仕掛人』を読んだりした時は気づかなかったのですが……。こういう作品の主人公チームって、ある意味、連続殺人事件ものミステリに出てくる探偵役と同じなのですね。「終わってから解決するくらいなら、それができる力があるなら、途中で止めろよ!」と読者からツッコミを食らってもおかしくない存在。そうした『ツッコミ』が出てこないようにするのも作者の腕次第でしょうから、今後このシリーズを書く時の課題の一つです。

    >一応、恨みは晴らされたんだけど、結局救われないなぁ…と言う
    >印象が拭い去れない感じです。

     主人公チームが正義の味方ではなく、その世界における法律を破っている存在である以上、勧善懲悪ものであってはいけないタイプの物語だと思って書いています。だから虚しさとか寂寥感とか、そんな読後感は、ある意味、計算通りなのですが、問題は「それでエンタメ作品として成り立つかどうか」というところですね。読者が満足できるカタルシスがないと、エンタメとして成立しない。そもそも、途中で「この作品、もう読みたくない!」と思われてしまう。

    >普段自分が読まない方向性(ダウナー系は特に苦手)にもかかわらず、
    >結局するする読めちゃった(笑)

     とおっしゃっていただけたので、ある程度「最後まで読んでもらう」力はあったということで、そこは嬉しく思っています。だから「最後まで読んでもらった上で、満足してもらう」までには、あと一歩、何かが足りないのだろう、と。そこを考えていきたいと思います。

    >依頼人が恨みを抱くまでの過程がとても丁寧に
    >そして、ほぼ時間系列順に描かれている

     これは「この作品、実は発想段階では、裏稼業シリーズではなかった」ということと関連していると思うので、少し、その事情を。
     作中の一話の『日本』の場面で出てきた心霊番組、あんな感じのものを見て「肝試しで呪われるパターン。肝試しの発案者ではなく、嫌々同行した方が呪い殺される話も多いけど……。その場合、遺族は呪いそのものよりも肝試しの発案者を恨みそうだなあ」と思ったのが、そもそものきっかけでした。
     そこで『遺族』視点のホラーを書こうと思ったのですが「この遺族感情、理解はされても共感されないのではないか。主役には向いていないのではないか」と考えて……。「裏稼業シリーズにしてしまえば、少しだけ『主役』からずらせて、しかも『恨み』を描ける」ということで、プロットを組んで書き始めたのです(プロットを組んだ段階でも『遺族』の『恨み』だけでは『肝試しの発案者』が殺される理由にしては薄いと感じました。そこで、新聞記者の存在などを加えました)。
     だから、いただいた感想(特に『丁寧に』というお言葉)を目にして「書きたかったものが、きちんと伝わった」という気持ちと「でも、それが作品としてはプラスにならなかった」という気持ちで、悲喜こもごもです。

    >敵さんとしては(1)の方が素人でもわかりやすく「悪人」だった…と言うか、
    >フォローのしようが無いくらいの悪事だったのに対し、
    >(2)の悪人たちは小物臭がしました。(笑)

     これは少し意外な感想でした。言われてみれば、確かに二作目の悪役の方が小物で、悪事のスケール自体は小さい。でも、その『悪』の度合いは一作目以上だと思っていたからです。
     一作目の悪人は、罪こそ償っていないものの、放っておけばこれ以上悪事をする気は無かったのに対し、今回の悪人たちは独自の『価値観』があるので、今後も庶民の命を軽視するような連中。そこを色々と描写したつもりでしたが……。
     今にして思えば、これ「長々と説明するよりも、短く雰囲気で語った方が読者には『伝わる』」という、物語の基本(頭ではわかっちゃいるが実践は難しい)の、一例だったのかもしれません。これも、良い勉強になりました。

    >こっちを先に読んでいたらキョウの存在は「唐突」な上に、
    >何でこの子、ここに居るんだろう??と感じたかもしれません。

     これも、シリーズの課題の一つです。別の世界の人間である以上、物語に絡めにくくて……。一作目は「少ない出番だからこそ」みたいな部分もあったと思うのですが、二作目では、本当に困りました。
     今後キョウ(ケン)をメインにした物語として「一作目で言及した二大宗教の設定の中で『巫女』という言葉を出している。ならば巫女の神託みたいな形で『別の世界』の様子が夢に出てくる、というゲストヒロインはどうだろう? そのゲストヒロインが夢の内容を占い師ゲルエイに相談する。ゲルエイは『これはケンの世界では?』とピンときて、彼を召喚する……」というような構想もあるのですが、こうやって状況を整えてやらないと物語に関われないのでは、キャラ設定に無理があったのではないか。少し反省しています。


     以上、申し訳ないほど長くなりました。
     こうやって色々と考えさせられる感想。今後の作品執筆にも参考になるので、本当にありがとうございました!

    編集済
  • 企画から参りました!
    湊波と申します。。

    群像劇風、とでも言うのですかね…ばらばらに起こった事件が、ある一点を目指して収束していく感じが、ひしひしと伝わってきます…!
    また、烏川様もおっしゃっていた通り、この話から読んでも十分に意味は通じますね。それだけ、しっかり描写がなされているからだと思います。

    印象的だったのが、第1話のラストシーンに繋ぐ流れですね。
    レグが息子の呪いについて相談する。その流れと呼応するように、テレビの番組という形で現実世界の描写が始まる。
    呪いという点で共通事項を作っているので、世界観が大きく変わっても、さほど違和感なく読むことができました。
    この技術は見習いたいものですね…_φ(・_・メモ


    さて。
    提案コメント希望とのことでしたので、少しだけ。

    【1点目】
    惜しいなぁと思ったのが、冒頭の会話文です。

    「いやあ、今日は遅くなってしまいました。息子のことで、最近ちょっと色々ありまして、今朝は特に話が長くなって……。では先を急ぎますので、詳しくは、また後で!」

    この文なのですが…「おはようございます」という挨拶に対する返しとしては、若干不自然なようにも見えます。
    語りすぎ、とも言いますか。
    いくつかの会話文に分けてみた方がいいのかもなぁと思ったり…。

    例えば、

    「おはようございます。今日は遅いですね…?」
    「いやあ、今朝色々ありましてなぁ」
    「色々、と言いますと?」
    「息子のことで、最近ちょっと……」
    レグは弱ったように頭を掻いた後、苦笑いした。
    「まぁ、まずは店の準備をしてくるとしますよ。また、相談させてもらうかもしれません」


    …みたいな…感じでしょうか…?(微妙かしら…苦笑


    【2点目】
    ここはもう、完全に好みな気がしますが…もう少し、地の文の情報量を減らしてもいいかもしれません。
    烏川様は、きっと、しっかり地の文が書ける方なのだろうと推察します。
    一方で、地の文を丁寧に書いているがゆえに、会話文のテンポが落ちているようにも感じます。特に、ピペタが部下と会話するシーンなんかは、会話文で、どんどん話を進めていった方が、より面白くなるかなぁと…(部下との気安い距離感も演出できますし)。

    以上になります。
    長々と書いてしまいましたが、この辺は好みの問題だとも思いますし、あくまでも素人の一意見として聞き流して頂ければと思います…!

    最後になりましたが、本企画に参加して頂き、ありがとうございました…!

    作者からの返信

     湊波様、コメントありがとうございます。
     前半部、本当に嬉しいコメントばかりで、もう嬉し涙が出そうな勢いです。「ここは上手くいったかも」と密かに思っていた部分を感想で述べていただけて「痒い所に手が届く」という感じです。
     特に『第1話のラストシーンに繋ぐ流れ』、ここは自分でも「いい感じ」と思っていたところです。でも狙ってやったというより、実は、半ば偶然で「いい感じ」になった部分でした。最初『おわかりいただけたであろうか』だけだったのですが「これでは定番のセリフ、あまりにそのまんまだから、オマージュというより露骨すぎる下手なパロディになっちゃうなあ。もう少し変化を……」ということで、推敲過程で付け加えたのが『こうして彼は、呪われてしまったのだ……』でした。おっしゃる通り、これで前の部分と上手く話が繋がるので「思わぬ効果!」と、心の中で自画自賛しておりました。ですから『この技術は見習いたい』は、過度のお言葉です。私自身、最初から(自然に)これを狙って思いつくようになりたいです。

     さて、後半部。
     これは【2点目】が密接に【1点目】と絡むなあ、と感じました。私は『しっかり地の文が書ける方』ではなく、むしろ「下手の横好き」で(しっかりとは書けないのに)地の文を書き過ぎてしまうタイプでして……。自分でも「セリフとセリフの間、地の文を入れすぎてテンポ壊しているだろう。そんな心情表現は不要、それこそセリフから匂わせる程度に留めるべき点だろう」と思いながら書いている部分が、多々あります。おそらく、私自身の個人的な好みとして、会話文が続きすぎるのが嫌なのだろうな、と自己分析しています(読者として皆様の作品を読んでいる場合に、あまり会話文だけが続くと「小説じゃなくて昔の2chのSS掲示板を読んでるみたいだなあ」という気分になる時もあるくらいです)。それで、不要かもしれないくらいに地の文を挟んでしまうのではないか、と。
     ただし、それがテンポという側面からはマイナスなこと、多くの読者の趣味嗜好とは合わないことは、自分でも薄々承知していたので……。はっきりと指摘されたこの機会に、自分の書き方のスタイルを、少しずつ直していこうと思います。これは、全体的な改修点ですね。
     また、その上で【1点目】。ここはここで、部分的に、自分でも「なんかしっくりこないな」と推敲のたびに感じる部分でした。これでも何度か書き直したような記憶があります。ただ、上述の『会話文が続きすぎるのが嫌』があって、セリフの掛け合いには出来ず、説明的な長ゼリフになってしまっていました。今回『「おはようございます」という挨拶に対する返しとしては、若干不自然』とのご指摘で、自分でも感じていた違和感の正体が少しつかめてきた気がするので、それを踏まえて、早急に直してみたいと思います。ただし、今頭に浮かんでいる修正案は「補足的な地の文を挟むことで、いくつかのセリフに分ける」なので、【2点目】の側面からのアドバイスには(そして上述の自分の決意にも)逆行する形になってしまうのですが。

     最後に。
     長々とした、しっかりとしたコメント、本当にありがとうございました。企画に参加した甲斐があるというものです。
     プロフィール欄に『批評企画の際にはその作品の長短含めて、真面目に感想を書かせて頂いております。が、それ以外のときは、驚くほど頭の悪い感想を残します』と書かれていたのを見て、バブルヘッド人形のように「私も同じです!」と首を縦に振りたかったものですが、まさに『真面目な感想』で感謝しております。また『幾つかの作品を小説家になろうでも連載しています』とあったのを思い出し「なろうの『良い点』『気になる点』『一言』方式で感想を書くことにも慣れておられるのだろう」とも感じる感想でした。