「どうして、お前たちは素直に物事を考えることができんのだ! すぱっと本音をぶつければ、それで済むだろう。馬鹿者と」
と思わせることこそ、ラブコメの王道。イライラは、それだけ本編にのめり込んでいることの証しであり、褒め言葉。
ジャスミン・ハルは、王太子、ジャック・フィン=ヴァルトンの妃となるべく、ヴァルト王国に招かれた。気合も十分、想いも十分なのに、なぜか物事はかみ合わず、落ち込む日々。実のところ、ジャックもそれは同じで……。
互いのことを思い合う恋人たちの(?)の描写が、実に鮮やかで、読み手を引きつける。情景描写も巧みで、それが恋人たちの置かれた状況を引き立てる。
レビューを書いている時点では、物語は序盤であるが、恋人たちの背後に渦巻く暗い影も見えはじめていて、この先の展開が楽しみ。
二人の揺れ動く想いにイライラさせられながら、物語を楽しんでいきたい。
変なひとこと紹介文も出ちゃう。(真顔)
いやほんと、今回のカクヨムコンで一番の「ニヨニヨ悶絶たまらん作品」として僕は推すねとキメ顔で言うくらい、両片思いの破壊力が半端ない作品。
おまえらー、おまえらーと、読んでて応援したくなることうけあいです。
幼い頃の顔合わせから、嫌われていると思い込んでる主人公ジャスミン。
そんな彼女を、幼い頃から「だいしゅき、けっこんしよう」(砂糖を口から吐きながら書いた)な王子ジャック。
そんな二人が政略結婚するとなってさぁ大変――になるのかと思ったら、なるんだなあこれが。超絶にかみ合わない両片思いぶり。
ジャスミンはなんとかしてジャックを振り返らせようとして空回り。
ジャックはジャスミンを大切に思うばかりに空回り。
そこにちょっと意地悪な現王にしてジャックの父、個性豊かなメイドたち、謎めいた庭師たち、そしてちょっと訳ありな従兄弟のマクシミリアンが加わってしっちゃかめっちゃか。
もうやりとりを見ているだけで十分楽しい。
そんなコメディなやりとりとは裏腹、ストーリーはとても怪しくシリアス。
次代の王の座を巡って静かな暗闘が繰り広げられます。
いったい誰が敵なのか、どういう目的なのか。
ジャックやジャスミンたちを試すように策謀が渦巻く。
そして、それはついにジャスミンの身近な者にも迫り――。
はたしてそんな状況だというのに「少女漫画みたいなこと思っている場合かァーっ!!」と言ってやりたくなるくらいになんかシリアスとラブコメが襲い来る本作品。
恋愛カテゴリということで、男が読むのはちょっととか思っているそこの貴方。
これはあれです、男が読んでも充分楽しい感じの作品ですぞー。
文句なしでおすすめでございます。
幼い頃に婚約者であるジャックに泣かされたジャスミン。そんなジャックと恋に落ちてやると、ジャスミンはひたすら女に磨きをかけて、ジャックの国であるヴォルト王国に嫁いでくる。
一方、ジャックもジャスミンにメロメロ。けれど、幼い頃の出会いがトラウマになっている二人は、なかなか距離を縮めることが出来ない。
その上、お互いに今すぐ結婚したいと思う二人のあいだには、陰謀やジャックの父、コーネリアスの思惑も渦巻いて一筋縄ではいかない。
二人は、無事にお互いの気持ちに気がつき、結婚することが出来るのか!
ジャックとヒロインであるジャスミンのやりとりに焦れ焦れ、ニマニマできる作品です! それだけでなく、宮廷の細かい描写や、本作に登場する国家や宗教、医療との関係性もよく考えられて書かれていると思いました。