ちっちゃい私はおっきいあなたに恋をした...かもしれない

@hahahappy2004

出会い~突然の気持ち~

4月8日、太陽の日差しが心地よく感じられるこの日、わたしは高校生になった。

初めて見る高校の校舎。

初めて見る周りの人々。

落ち着いたような発言をしているわたしはいま、人見知り発動中だ。


人見知りが大爆発していた入学式の日から3日。クラスメイトが積極的に話しかけにきてくれたおかげで友達がたくさんできて一安心している。

そんな中、担任から来週の火曜日新入生全員参加の遠足があると伝えられた。

「3年間の高校生活を円滑に過ごすための人間関係を築く」

つまり友達を作れってことだ。

出席番号順に8人ずつ班を作った。

零と悠真、拓哉とわたしに萌香と麻央、それから侑斗と理湖が一緒だ。早速ラインでグループを作った。そこからみんながグループを通して友達追加していった。わたしも全員と友達になり、よろしくと会話をした。みんなが明るく騒がしい班だった。


遠足当日がやってきた。

遊園地でカレーを作って食べてから各班自由に回っていいとのことだった。

わたし達はより多くの時間遊びたいからカレーをさっさと作ろうと話していた。湖の近くに位置するその遊園地には綺麗な花が咲いているところがあり、とても綺麗な場所だった。

カレー作りが始まると男子が積極的に動いてくれた。中でも悠真と拓哉は色々なことをしてくれた。女子に料理のできる人が少なく鍋をみれるのがわたししかいないことが判明したが、背が小さかったわたしは一段高くなっているところに登らないと鍋が覗けなかった。しかし、火起こしをしていた侑斗と萌香がいたため一段高いところはいっぱいだった。どうしようかとわたしが考えていると

「背がちっちゃくて何にも見えないんでしょ。俺がやっといてあげるよ。」

と悠真がおたまを片手に言ってきた。背が小さいことをからかわれたのは少しイラッときたけど、困っていたから助かった。ありがとうと言ってしばらくの間鍋を見ておいてもらった。

その間に少し暇ができたわたしはみんなでサラダを盛りながらどうでもいい話をして盛り上がっていた。拓哉にレタスをちぎってもらってキュウリとトマトはわたしが切った。包丁でトマトを切っていると拓哉がやってきて、

「へぇ〜。小さくても包丁は使えるんだね。使えないのかと思った笑」

とわたしをからかってきた。中学の頃から小学生みたいだとよく言われてきたから慣れてはいたけど高校生になっても言われるのかと少し落ち込んだ。

「あたりまえでしょ。これでも家ではご飯くらい作るんだから笑」

とわたしが返すと

「じゃあ今度作ってよ。小学生さんはどんな料理が作れるのかな。」

「もう!小学生じゃないし!」

「あはは!ごめんごめん笑笑」

そんな会話が続いた。

そんなこんなでカレーを作り終わり遊園地を満喫したわたし達は無事に遠足を終えた。


次の日学校に行くと、遠足の甲斐あってか男子とも喋れるようになっていた。悠真と拓哉は特に仲が良く、一緒にいて楽しかった。わたしたち3人は出席番号が並んでいるので移動教室があってもほとんどの席が近かった。

悠真とは身長の差があるのになぜかよく目が合い、お互いを見て笑ってしまうことがよくあった。

拓哉とは席が前後なこともありいろいろな問題を教えあったりしていた。わたしが拓哉に教えてあげたときは「さんきゅ」と言って頭を撫でられ、突然すぎて顔が真っ赤になってしまった。

次の休み時間わたしが移動教室な場所がわからずにいると悠真が近づいてきた。ちょうどよかったので「どこだっけ?」と聞くと「俺が連れてってやるから待ってろ」と言われた。なんとなく機嫌が悪そうな気がして心配していたら準備ができた悠真がわたしの手を握った。

「え?」

「場所、わかんないんだろ。迷子になられても困るから手繋いどけ。」

「そんなに子供じゃないよ。手繋がなくたって...」

「あーもう!さっき拓哉に頭撫でられてただろ!あれに嫉妬してんだよ。気づけバカ。」

びっくりしすぎて何が何だかわからないでいたら悠真に引っ張られた。教室には誰もいなくて私たち2人だけだった。

トン

何かが頭に当たった。

見上げるとそこには悠真の少し照れた顔があった。そして、

「俺はお前が好きだ。ちっちゃくて人形みたいにかわいいお前が好きだ。誰にも触らせたくないし、見せたくもない。だからさっきの拓哉に頭撫でられて恥ずかしそうにしてるお前を見て嫉妬した。別に今すぐ返事が欲しいんじゃない。ただ少しの間でいいからこのままでいさせてくれ。」


わたし達はそのあと何も話さず、ただ手を繋いだまま教室を移動した。

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