第3話 最凶コンビ誕生
バリーの部屋に案内されたジャックはそこにあったソファーに腰かけている。部屋の主であるバリーはコーヒーを淹れている最中である。
「コーヒーをどうぞ」
「ありがとうバリー」
ジャックはバリーが淹れたコーヒーが入ったコップを受け取り一口飲む、するとジャックは顔が軽く緩んだ。コップを直ぐ近くのテーブルに置く。
「なぁジャック、あんたなんであんな奴等に追いかけられてたんだ?」
「分からない、だが奴等は私を殺しにきてるのと資金が潤沢なのは解る」
ジャックの言う通り襲撃してきた連中はTOW対戦車ミサイルやSMAWロケットを持ち出してきた辺りを察するに軍需企業に関連した人物と金払いの良い支援者がいることは推測できる、しかも人材豊富ときている。
ジャックは心の中で「クソ共が私の家を吹っ飛ばしやがった、ふざけやがって!」と叫んでいる。果たしてそれを心の中で叫ぶ必要があるかは別として。
「さっきはちょっと興奮してたけど、ジャック、あんたは一体何者なんだ?」
「私はただちょっと危ない仕事をしてるだけだ」
ジャックは自嘲気味にそう言ってコーヒーをもう一口飲んだ。すると何かを決心した表情で口を開いた。
「とにかく、私は奴等を潰す。私の家を吹っ飛ばしてくれたからな、相応の報いを受けてもらう」
「だったら俺がサイドキックになるよ、夢だったんだ。ヒーローになるの、小さい頃からの。」
「いいかバリー、これはガキの頃の夢にある善と悪の戦いじゃない!私はマフィア潰し専門の殺し屋で奴等は恐らく私に恨みのある連中だ!私はヒーローなんかじゃない、むしろヴィランだ!」
ジャックがそう叫んでバリーに背中を向けて装備一式が入った袋を掴んで部屋を後にしようとしたがバリーは語りかけた。
「なぁジャック、確かにお前は世間一般で言えばヒーローじゃない。だが俺の心の中ではヒーローだ。マフィアを潰して麻薬の拡大を水際で阻止してきた。」
「だが私はマフィアを皆殺しにした、助けてと泣き叫ぶ奴も。」
「それでもお前は俺の中ではヒーローだ。俺はお前と共に悪と戦うよ。」
バリーの言葉を聞いてジャックはため息を吐いてから彼の方向に体を向けてから一本のナイフを差し出した。
「いいだろう死にたがりなバリー。私とお前は仲間だ、」このナイフは仲間の証だ。」
「ありがとうバリー。」
そう言って二人は固い握手をした。そしてジャックはウォークマンを取り出して音楽をかけるためカセットを入れた。
「なんで未だにカセットプレイヤーなんだ?」
「昔貰ったんだよ、お前は音楽を聞いたらどうだってな。カセットの曲は自分で気に入ったものをミックスした。聞くか?」
「また今度にするよ。それでまずは何をするんだ?」
「武器を調達する。私は弓とMin14のための弾薬、お前は必要な装備一式。」
ジャックはバリーにそう言う。
今ここに後世にも語られる暗殺者と元戦車乗りでヒーローオタクのクソッタレ二人によるでこぼこコンビが誕生した
the・outer world 新高弥三郎 @nitougunsou
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