なんと艶やかで妖しい美しい世界なのだろうと思いました。ゆるゆるとめくられていく白地に青のペイズリーのワンピース。白い脚に棲む青の蛇。めまいがしそうな遠い少年の日の思い出の美しさ。個人的に、谷崎潤一郎の文章が大好きで、とりわけ女性美の描写がとても好きなのですが、こちらにも似たようななまめかしい崇高な美しさを感じました。本格的な文学の香りのする短編です。