不安と贅沢

 昔、キネマ旬報に田山力哉先生(故人)という映画評論家が原稿を寄せていた。
 その評論集が『これだけは言う:辛口シネマ批評(講談社)』という形で出版されて私も読んだ。様々な映画の評論が書かれていて非常に勉強になり楽しくも読んだ。
 その冒頭は『批評家はつらいよ』というものだった。詳細については割愛する。
 評論家のいう批評と編集のそれとは必ずしも一致しないのはよく分かっているつもりだ。ただ、バーグさんは人の作品を批評することに付きまとう重みや辛さから逃げようとはしない。それは本作でよく理解出来た。

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