無の人々

 なんとも寒々しい、冷えきった世界だ。題材に対してここまで負の方向からのアプローチを試みた作品は他にない。
 しかし、思考実験としては非常に面白い。これはもう、言葉の絶対零度だろう。
 一度獲得したコミュニケーションを失うのがどれほど苦痛か、本作は逆説的に示している。

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