『読書しない感想文 その3』

桝屋千夏

『僕は魔法少女に興味がない』


 竹内緋色様の自主企画『読書しない感想文』

 https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054888943759


 竹内緋色様の「希望業種は──魔法少女で!」への読者感想文です。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054888281544


 もちろん一切読んでいません。


 竹内緋色様

 この場を借りて、失礼をお詫び申し上げます。


******


『僕は魔法少女に興味がない──桝屋千夏』




 僕は『魔法少女』と聞いても何の興味もわかず、読めと言われたこの作品を読むことにとても苦痛を感じました。

 なにしろ、『まほうしょうじょ』の始めの『まほ』と聞いて、『みほ』と無意識に聞き取り、女子高生が戦車で殺り合うアレを変換してしまう僕には到底想像できない、興味のわかない話だと思っていたからです。

 しかし、最初の数ページを読んでどんどん引き込まれていき、気づけば読むことが楽しくなっていきました。


 魔法少女になるために、主人公はとても厳しい選択を迫られます。

 なんと主人公の憧れた魔法少女は全員去勢を施された野郎だったからです。

 中国で言うところの宦官です。


 悩みに悩み抜いた主人公はある決断をします。

 その決断は、僕には到底理解できません。

 主人公は最低のクズ野郎です。

 ゲスの極みキワムです。


 そして、主人公のキワムは次々と友人に去勢を施し、ついに自称魔女ッ子のコルトと仲良くなってしまうのです。


 ハニートラップだとは気づかずに。


 しかし、そんなキワムに遂に天誅が下ります。

 強制的に去勢されたかつての友人達の恨み。

 下された刑の名は『去勢代執行』です。

 つまり死刑です。

 ざまあみろと思いました。

 気分がものすっごくすっきりしました。


 ここまででもすごく読みごたえがあったのですが、一番びっくりしたのは、やはり死刑の時です。


 多くの観衆や犠牲者が見守る中、死刑が執行されるその瞬間、キワムは突然叫んだのです。


「俺の財宝が欲しいか。なら探せ!この世の全てをそこにおいてきた!」と。


 この一言で皆が掌を返したように助けてくれます。

 これまで彼を罵り罵倒した人達がたちまち彼を崇め奉り始めたのです。


 僕は感じました。

 人間もまだまだ捨てたものじゃないなぁと。

 夢を見せてやれば、何でも思い通りになるんだなぁと。


 物語を読み終えて、僕はもうすっかり魔法少女に心を捕まれてしまいました。

 例えるなら、ヤな胸騒ぎを潰すように握りしめられていたような感じです。

 それも、体に染み付いたリズムや鼓動に足並みを揃えながらです。

 魔法少女は、立ち塞ぐ悪夢に行くと決めて振りかざしたその手に期待など持たないのです。


 僕も冒険したくなりました。

 今からはしんどいので、明日から。

 明日早速冒険してみようと思います。


 手始めに、仲の良い野郎に一言かけてみようと思います。


「君、魔法少女に興味ない?」と。



 ******


 竹内緋色様

 この場を借りて、失礼をお詫び申し上げます。

 が、めちゃくちゃムズい企画ですww

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『読書しない感想文 その3』 桝屋千夏 @anakawakana

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ