追う者と追われる者。切り裂かれた日常と交わる想い

春。
城浜市に越してきた巻月潤は新大学生。
慣れない為か多少の疲労を感じつつも希望を胸に新生活を送っていた彼は、アパート火災に巻き込まれ意識を失ってしまう。
目覚めると、火災は治まっていたもののアパート全体がフェンスで隔離されていた。
「伝染病に感染している」
そう告げられても何かがおかしい。
訳も分からぬままその場から逃げ出した潤。
顕になってゆく「感染症」の症状。
狭まってゆく包囲網。

一方、潤を追い詰めるのは探索班の矢知敏樹。
彼はある出来事から感染者に嫌悪感を抱いており、執拗に潤を追う。

追う者と追われる者。
感染に伴い発症した恐ろしい能力。
やがて浮かび上がってくる不可解な事実。
城浜市のみに蔓延する伝染病とは?
血を噴き全てを切り裂く潤の運命は!?

作者さまお得意の息も吐かせぬスピード感溢れるアクション。
疑惑と陰謀。共闘と信頼。
切り裂かれた日常のなかで交わる想い。


息を詰めて、祈るように読みました。

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