第10話 革命家
こうして、無事に事件を解決する事が出来た。あっという間だった。あんなに盛り上がって、あんなに苦しんだ事が馬鹿みたいだった。それはサーカスに似ていた。素直になれば、苦しむ事はなかったのかも知れない。たった1言を言えば幸せになれたのに、怖くて言えなかった。言えなかったのか、言わなかったのか、この2つは似て非なる事だ。私は言えなかったと思い込みたい。でも、私は今日という日になるまで言わなかった。時に、多田野君の優しさを嫌う事もあった。優しい事で私は多田野君の事が好きになったのに、嫌いになる時もあるなんて矛盾している。でも、矛盾しているからこそ、本当に私は多田野君の事が好きである事を再確認出来る。睨んでいた3人はやがて笑顔になる。この笑顔は作り笑顔ではなくて、本当の笑顔だ。今までの私は顔面白塗りのピエロだった。無理矢理口紅で笑っている様に塗っていた。でも、今は自然に笑う事が出来るから、派手なメイクは必要無い。素の自分で演じる事が出来た。素のピエロの顔が笑顔だと、サーカスの観客全員の顔が笑顔になった。スタンディングオベーションが鳴り止まない。肺がんで死んだ高校教師も拍手している。その人の笑顔は私が初めて見た笑顔だった。
4人で有料駐車場に戻る。車の座席は変わった。前の左側の運転席は勿論三島先輩だ。前の右側の助手席は高田。後ろに俺と芦田が座った。4人はシートベルトを着けた。2人は手と手を繋いでいる。
「明日からどうして生きていこうかな?」
「探偵の気質はある。まだ、働いて欲しいくらいだ」
「お父様。多田野君…いや翔太君は某大手企業の社長の息子なのよ。だから、探偵とかじゃなくともビジネスのセミナーとかに行けばいいと思うけど」
「好きな事が出来るのが1番ですからね」
「でも、俺のお嫁さんにも一緒に働いてもらっていいかな。俺1人では上手に出来るか分からない」
「私でも分からないですよ。下手に急いでも倒産するだけです。ゆっくり、時に英断をする。こんな時代の流れは早いからこそ、ずっと過去の事に囚われたら駄目ですよ。すっぱり捨てる案件は捨てる。いる案件だけをやりましょう」
「だが、娘は捨てないでくれ、これがワシの依頼だ」
「またさ、僕と愛梨ちゃんと多田野君と芦田さんでダブルデートしようよ」
「いいですか?三島先輩」
「あの時は色々言ったが、一番楽しいと思ったのは家族の為にしてあげる事だ。だから、これからの家族の為に是非、娘を楽しませてくれ」
「お父様、決めました。私、芦田きさは翔太君の企業に就職する事を誓います」
「一緒に頑張っていこう。会社も家族も」
「そろそろ私立探偵事務所『ミステーロ』に着くぞ」
「よし、もう少しで給料が出る」
「いや、出さない」
「なんでですか?」
「お金よりももっと大切な物を得たから、もう金はやらない」
「はい。俺には十分過ぎる程の物を得ました。俺は成長出来たのかな?」
「成長しないはず無いじゃないですか。私がいるのだから」
「そうだよね。変な事言って…ごめん。これから考えて行きましょう。高田君と田中さんと芦田さん…きさちゃんと俺で何処に行くか。あれだったら三島先輩も行きますか?」
「いや、俺はパスする。俺もしたい事が出来たのだ」
「そうですか、是非楽しんで下さい」
車は私立探偵事務所『ミステーロ』に着く。シャッターを開けて、車を入れる。4人が車から降りる。
「今日は正面から入ろっか。ここで働いている人は5、6人ぐらい働いている。学べる事があるかも知れない」
「分かりました」
4人は階段を上った。三島先輩が1番最初に『ミステーロ』と明朝体の黒色フォントの白い扉を開けた。
「お疲れ様」
「お疲れ様です」
「多田野君、君は真ん中に来てくれ」
「分かりました」
サーカスの案内人がこのドームを仕切る。素晴らしい光景が観客全員を驚かせた。最後の最後までこのサーカスは我々観客を驚かせたいみたいだ。今の私の2番目のお父様は本当に楽しそうだった。
俺が真ん中に立つと前の方向からクラッカーの音が聞こえた。驚いて、目を塞ぐ。目を開くと、拍手喝采だった。前の人達が口を同じ様に開けようとする。
「多田野君、事件解決おめでとう」
「嬉しいです。ありがとうございます」
「この事件で多田野君、君は怖くなかったのか?」
色々な三島先輩に出会ったが、パーティー会場のスタッフにもなれるなんて、凄過ぎる上司だ。今の三島先輩は本当に楽しそうだった。
「確かに怖かったです。何が起きるか分からない。でも、それ以上にきさちゃんの方が怖いと思ったら戦える気がしたんです」
「すごいな。貴方の息子がここまで成長したんだ。みんな出て来てくれ」
すると、あの面接した会議室から多田野家の家族がやって来た。母と父と妹、みんな嬉しそうだ。
「やっぱり、我が家のお兄ちゃんは最強だよ」
「よく頑張ったな。よくやった。翔太」
「よく頑張ったわね。さすがね。翔太」
「俺ときさちゃん、付き合ってもいいかな?」
「私の事もたまに構ってくれるならいいよ」
「ああ、これからは自分で決めて生きていけ」
「勿論よ。いい人をお嫁さんにしたね」
すると、高田が俺の妹を見て口を開いた。
「もしかして、メイクの上達法とか動画に上げているピーチジュースさんですか」
「そうだよ」
俺は妹がそんな名前で動画を上げているとは思わなかった。
「俺の彼女がピーチジュースの動画を見ていて、とても君に会いたいって言っているんだけど、今度会ってくれないかな?」
「はい、お任せ下さい。このピーチジュース、絶対に可愛くしてあげます」
多田野君の妹がピーチジュースだった。本当に可愛かった。愛梨ちゃんとピーチジュースが直接会うまでは愛梨ちゃんにこの事は言わない様にする。驚いた顔が楽しみだ。
どんな事があっても、誰かと一緒なら、何処にでも行く事が出来る気がする。窓のルーバーが全て上に収められている。そこには夕日があった。この太陽はまた昇る。俺の会社は太陽の様にいつも変わらないで存在した。世界の何処かで今も。
そこには夕日があった。私はもう月にはならない。この太陽はまた昇る。私の人生は太陽の様に輝き続ける。世界の何処かで今も。その後、私と翔太君と愛梨ちゃんと多田野君で川沿いの桜並木を歩いた。桜の姿はもう無いが、この景色が見たかった。葉桜は私達を歓迎した。翔太君と一緒に手を繋いで歩いている。川の流れが変わる事は無い。こんな夫婦になれる気がした。そこに不思議な声が聞こえる。
「ピーチジュースちゃん、写真集予約してるんだ」
「愛梨ちゃん、ありがとう」
ピーチジュースは愛梨ちゃんの左腕に自分の右頬を擦ってた。その姿が愛らしかった。
「きさちゃん、俺が彼氏で良かったの?」
「私、高校の時に貴方に会えて世界が変わった。私の1番目のお父様が亡くなった事が衝撃で、何に頼って生きていけばいいか分からなかった時があったの。その時に多田野君が支えてくれた」
「俺、なんかしてあげれたのかな?」
「してくれてた。私の知らない所で色々してくれていたってクラスの人から聞いたわ」
「そうなんだ。記憶がないな…」
「意識しないで出来るなんて素敵」
「そうかな」
「今。お兄ちゃんニヤニヤしたでしょ?」
「いけないのかよ!」
2人は笑った。私も自然に笑った。高田君も愛梨ちゃんも翔太君の両親も笑った。
「久しぶりに笑ったな」
「そうだね」
「今さ、桃っていろんな仕事してて、なんか遠い存在になったなって思った事もあった」
「でも、遠くにいないよ。今だってお兄ちゃんの近くにいるよ」
「桃は桃なりに成長していた。俺も俺なりに成長出来たかな?」
「成長出来たよ」
「どんな所が成長出来たの?」
「女の子見てニヤニヤしてたじゃん」
「それが成長の証なのか…」
「今まで、そんな事無かったじゃん。優等生ぶって生きていた。私はもう少し自由に生きてもいいと思ってた。今は自由に生きれていて好きだよ。今のお兄ちゃん」
「俺は優等生ぶってたのか…」
「またさ、何か困ったらいつでも私を呼んでよ。妹なんだからお兄ちゃんが困っている時は地球の裏側にいてもすぐに来るよ」
「ありがとう。後、思ったんだけどメイクしている」
「よく気がついたね。なんで分かったの…」
「久し振りに妹の顔を見たから。兄はいつだって妹の顔は忘れないよ」
「なんでか知らないけど、泣けてきた」
翔太君は私の手を離して、ピーチジュースを抱きしめた。右手はピーチジュースの頭を撫でて、左手はピーチジュースの背中をさすっていた。私は羨ましいとかそんな感情にはならなかった。こんな家族愛溢れる家族を見て私まで泣きそうになっていた。翔太君が妹の耳元で言った事が聞こえた。
「左右のまつ毛の長さが違うよ」
「えっ…嘘…私。死んじゃうわ」
ピーチジュースは可愛い鞄からファンデーションを取り出した。そのファンデーションは私も持っているものだった。
「それ、私も持ってる」
「ありがとう。このファンデーション、私がCMしてるの」
ピーチジュースが鏡でまつ毛を見ながら答えてくれた。
「いつもこのファンデーション使ってるの?」
「勿論、このファンデーションは私と一緒に考えて作ったから1番よ」
「化粧品の開発もやってたんだね」
「お兄ちゃん、まつ毛の左右の長さ違ってないよ」
「俺が疲れてただけかも、ごめん」
「いいよ」
「ちょっと、待って。今、鏡からピンクの桜の葉が落ちていくのが見えた!」
私はすぐに振り返った。あの雨の日もピンクの桜の葉が落ちていていた気がした。あの時は不思議だと思った。でも、今は不思議とは思わない。私と翔太君が側にいるだけで不思議だからだ。愛梨ちゃんがピーチジュースに話しかける。
「桜も桃ちゃんもどっちも可愛いから気にしなくていいよ」
「そうだよね」
元気な若者達を2人は見ていた。
「私達、仕事に夢中で自分の子供達の面倒をちゃんと見れたかしら?」
「見れていなかった。全てお金で解決していた」
「お金って怖いね。時間まで取っていくのですから」
「その分、仕事に時間が取れた。今は、いつでも息子が活躍出来る場所を作る事が出来た」
「その前に育児で大変かもしれません」
「もう子供の話か。でも、育児はそれ程大変ではないと思う」
「あら、なんでそう思ったのかしら?」
「これだけ仲のいい人がいっぱいいるんだ。高校生の時は友達も作らず、勉強ばっかで大丈夫かって思ってたが、翔太は回り道して良かったと思う」
「だから、大切な時に真っ直ぐな道を行く事が出来るのでしょうね。この桜並木の様に」
「そうかもな」
ワシと後藤は隠れながら、葉桜を楽しむ人々を見ていた。
「育休中悪かったな」
「いえいえ、久しぶりに三島先輩と会いたかったので。でも、良かったんですか。みんなと一緒じゃなくて」
「いいんだ。この方が娘も幸せだろう」
「分かりました。自分の娘も今、立って歩けれる様になったんですよ」
「娘だったっけ?筋トレして自分の子供とキャッチボールを一緒にするんじゃなかったのか?」
「男の子だと思っていましたけど、後々に女の子って事が分かったんですよ」
「娘はどんな名前だ?」
「
「美しい名前だな」
「ありがとうございます」
「ワシは娘に名前もつけてやれなかった」
「名前はなんだっていいと思います。大切なのは、子供に愛着が持てているかですよ」
「たまにはいい事言うな」
「たまには…ですか…」
「そう言えば、今、育休を使って何やってんの?」
「推理小説読んでいます」
「だから、こんな腹になったのか」
「妻が作る料理が美味しいんですよ」
「幸せだな。いつでも仕事、戻って来いよ。俺の部下は後藤しかいないから」
「多田野翔太も私立探偵事務所『ミステーロ』で働くんですよね」
「もう、多田野は自分で解決出来る」
「俺は…」
「もう少しだけでいい、俺の面倒を見ててくれ」
「分かりました」
翌日、私立探偵事務所『ミステーロ』に1人の来客が来た。
「すいません。ここに三島弘さんはいますか?」
「会議室1に行ってください」
空き缶を集めてお金に変えていた事が私の足腰を強くした。本当は会うべきではなかったのかも知れない。履き慣れていない1番安い中古の革靴が歩き姿を不恰好にした。私は恐怖で足が素直に動かない。ガラスからあの時に見た男が座っていた。今日は作業着ではなくスーツだ。私は白い扉をノックし、会議室に入った。扉を最後まで閉めてから後ろに振り返る。
「三島さんの両親を殺してしまい、本当にすいませんでした」
「もういいんだ。両親にも非はある。親父は気の利かない。母親は子供を授かっているのを黙っていたんだ。
「私の名前も知っていましたか」
「ワシはこの仕事をする理由は犯人を捜す為だった」
「私はどうやって、罪を償えばいいのでしょうか?」
「一緒にドライブしないか?」
救世主は非常口から出た方が早いと言い、白い螺旋階段を降りて行く。階段を1つ降りる度、轟音が響く。心に沁みる程、轟音は死ねと言っている。呪いの塊みたいだ。1番最後に出た救世主は非常階段の鍵を閉める。もう戻る事は出来ない。この場所にも、あの日にも。轟音を嫌っているから、急いで階段を降りたい。履き慣れていない1番安い中古の革靴が歩く事を不自由にする。私は今から死ぬのだろう。今着ている服は綺麗な状態で死ぬ為の服としては相応しい。私と共に救世主が階段を降りると、シャッターから黒い車は直進した状態で停まっていた。これが地獄に乗せていく乗り物だ。
「前の右側に乗ってくれ」
「私、運転するの半世紀ぶりなんです」
「取り敢えず乗ってみろ」
私はどうなっても良かった。半世紀経った車の運転の仕方を知らない。自棄になって乗る。助手席だった。この車は私でも分かる程、有名な日本企業の車だ。
「外車仕様にしている」
私は死ぬ前に外車仕様の車に乗れるとは思っていなかった。シートベルトを早速つける。最近の車は鍵を入れない。他にも、ラジオやCDを聞いたり、テレビやDVDまで見れる。この世の中は便利で豊かに過ごせる時代になった。まるで未来にタイムスリップした感覚だった。私の今の知識は赤ちゃんと同じだった。
「今のラジオってどんなのがやってるんですか?」
「いいだろう」
救世主がラジオに変える。ラジオから可愛い声がした。
〈ピーチジュースの天気予報の時間だよ〜ん。最後まで聞かないとお仕置きしちゃうから、ちゃんと聞いてよね〉
「すまない。最近はこんな番組まで出来ていてな」
ラジオは昔、真面目な文章を読んでいた。それで昔は良かったのだろう。でも、今は違う様だった。若い男性をターゲットにしたラジオ番組まで出来ていた。救世主は触れる事が出来るガラスをタッチしてラジオを変える。
〈気象情報をお伝えします。今日のこの町は1日中晴れるでしょう。6月ではありますが、熱中症の予防として水分は多く摂取してください〉
ラジオは今も真面目な文章を読んでいた。温故知新の世の中だ。今まではラジオの常識を守り続けていた。でも、今は違う様だった。万人向けのラジオ番組は残っていた。気象情報は終わって新しい番組が始まる。
〈今日のニュースをお伝えします。近くの博物館で生物と触れ合うブースが開かれました。この取り組みは今日から6月末までの午前10時から午後4時まで無休で開催されています。このイベントに参加されていたカップルにインタビューをしました〉
「ゴホンッ」
救世主は咳き込んだ。救世主は咳のせいなのか頬が赤い。
〈なんでこのイベントに参加されたのですか?〉
〈大学で生物について勉強しているので〉
〈隣の方は彼氏さんですか?〉
〈はい〉
〈お二人はなんて呼び合っているんですか?〉
〈俺がきさちゃんで、きさちゃんは翔太君と呼んでいます〉
〈楽しんでいってくださいね〉
〈次のニュースです〉
救世主がいきなりラジオを切った。
「この景色に見覚えないか?」
「ここは昔、漁してた場所です」
「車をこの辺に停めて歩いて見ないか?」
「分かりました」
私はこれから殺される。私が救世主の両親を殺した様に、救世主は私を海で殺すのだと思った。私は心の準備が何故か出来ていた。罪を犯した者に罰を下す。これは、人類普遍の原理だ。50年前から心の準備は出来ていた。でも、心と体は時に連動しない。足が変な震え方をする。救世主は素早く足を進める。私も必死に進んだ。救世主は何故か海から離れていく。山を登り始めた。平坦な道でさえも進み難い。私に山を登れと救世主は試練を突きつけた。私はこの山を鮮明に覚えている。もう少しで崖がある。その崖から私は救世主の母親を崖から落として殺した。今度は私が落とされる番だ。私は何故か半世紀も生かされていた。単に死にたくなかったのか、意味があって生きていたのか分からない。でも、もう少しで死んでしまう。救世主と共に崖に来た。その崖が今の変わらずに存在していた。変わっていた事がある。それは、周りの景色だ。高層ビルもこの崖から見る事が出来る。私はこの景色が最後の景色だと思えた。私は崖の前で正座して、目を瞑った。
「私を殺してくれ」
返事が聞こえない。後ろから強風が吹いている。走っている足音も聞こえる。私を蹴り飛ばすのだろうか。足音が近くなる。もうすぐで私はこの土から離れるのだろう。土は冷たかった。この冷たさが社会だと思った。足音は何故か私の右側から聞こえた。足音は突然消えた。下から音がした。水の音と重たい物が土に落ちた音だ。私は目を開ける。後ろを振り返る。誰もいない。私は崖の下を見る。清らかだった川が汚れていた。
「喉を掻っ切ったから、静かに済みました」
ナイフを持った人間がいきなり話してきた。
「貴方は誰ですか?」
「名刺は持っていないんだ。作らないといけない」
名前を教えてくれない人間は血のついたナイフを舐めていた。
「このナイフに血液は満たされた」
「私を殺さないのか」
「今、俺の喉が渇いている」
私は再び瞼を閉じた。
片翼の天使は自由に飛ぶ事が出来ない。片翼の天使は2体いる事で自由に飛べる。でも、自由ではなかった。2体の天使は目的地が違った。1体の天使は考えた。もう1体の天使の羽を捥いで自分につけたら自由に飛ぶ事が出来ると。1体の天使はもう1体の天使の羽を捥いだ。2つの羽を持った天使は何処までも飛ぶ事が出来た。その天使は堕天使になった。羽を捥がれた天使は飛ぶ事が出来なくなった。その天使は人間になった。人間は人間同士で戦った。羽を捥がれた恨みを持ちながら、憂さ晴らしの為に戦った。片翼の天使も両翼にする為に戦った。両翼の堕天使は仲間を増やした。戦いの無い世界で今も楽しく暮らしている。人間は3種類のタイプがいる。1つ目のタイプは自由を求める為に戦う者。2つ目のタイプは自由な世界で住む為に戦わなくなった者。3つ目のタイプは恨みの為に戦う者。
謎解きは結局、人間を救えない! 渋沢慶太 @syu-ri-
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