あるヒューマノイドとの別れを描いた、180行の会話劇。小説というものは言葉を使って様々な物事を表現する。この作品でもヒューマノイドとその主人が別れの直前に交わした会話が言葉で綴られている。しかしこの作品で最も見るべきは、このお題とシチュエーションでなければ採りづらい独特な書き方によって明確に可視化された行間の方だと個人的には思う。書かれたことがあるからこそ感じ取れる「書かれなかったこと」。それを強く意識させる、良い後味の残る作品だと思う。
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