世界を動かす中心人物的なキャラクターが複数いて、それ以外の人にもいろんな歴史があり、想いがあり…とても魅力的です。
また、緊迫感、張り詰めた空気感がすごいです。
強キャラ相手に戦闘勃発寸前の時とか、特に戦闘シーンなんてもう、固唾を呑み手に汗握って、まるでその場に居合わせてしまい、巻き込まれないように息を潜めるようにして読んでました。多分息も止めてた。
すごい。
皆読め。
以下推し語り
〜アベル(主人公)〜
皆魅力的ですが中でも、主人公アベルは特に魅力的です。彼にとって前世から地続きの今世であり、前世での父親への憎悪と憤怒の不完全燃焼はずっと燻り続けている。そしてそれが彼を魅力的で底知れない男にしているように思います。
彼はずっと心の奥底で燃え盛る「欲望」「飢え」から目を逸らしたり満たそうとしたりします。
作中でアベルの様子を熱い鉄板の上で駆けている様、といったように主人公自らが独白していたと思うのですが、本当にそんな感じで、魂が焦げ付くような満たされない欲望を満たそうと破滅へと全力疾走しているような…そんな印象があります。
「父親」を想起させられるような「害悪」への憎悪や殺意と彼が持つ優しさ、この辺りが特に傍目から見て落差が激しいように見え、不安定に感じしかしそれが魅力的に見える。
作中ではアベルの運命の女に運命の男に運命の敵と、こうして並べるとなんかちゃちいんですけど正しく「運命」と言える相手が登場します。
絡み合う運命が、こう、やばいです。私の語彙力よりもやばい。
まだ169話までしか読めていませんが、この先どうなるのか楽しみなような不安なような…
最推し
〜バース公爵(アベルの祖父)〜
私の最推しはバース公爵です。
正しくこれが貴族、といった人物ですが、同時にただの人間であり、その辺りがザ・貴族的価値観と混じってウォルターたちからすると嫌な親になるのが最高です。的確にウォルターたちの地雷を踏み抜いていくお爺ちゃん。好き。
あまりにも価値観も振る舞いも貴族!で人間味がある。あと渋いおじ様が好きなので私にクリティカル。
ザ・貴族で貴族的価値観以外できなくてけれど情があって結果家族には下手なことしちゃう。
そういうとこ!そういうとこですよ爺様!好き!
〜イズファヤート王〜(名前間違えてすみません)
謎。
現段階ではかなり好きだけどどうなるか分からない。意図もわからない。いまいち何がしたいのかも分からないし何考えてんのかわからんし謎。
恐ろしく「王」以外の何者でもない、なれないしならない、みたいな…?完璧主義で有能で生に楽しみを見出さず人の命を数で見てそうだし義務だけで生きてそう…でもなんか確固たる自我がありそう…。その言動から、信賞必罰を徹底した恐怖政治で統治してて、恐ろしく冷徹で人間味がなく王の威厳に溢れ、血縁身分関係なく他者は皆同等に無価値みたいな感じに私には見えてる。事実しか合ってないと思う。本当に謎。何?好き。続き楽しみ。
この一言につきる。個人的には星が10,000を超えていてる人気な作品に引けをとらない面白さがあった。最新話までの文量はあるが、騙されたと思って少し読んでみてほしい。この作品は今度友人にも勧めたいと思っている。あわよくばイース様とひと段落着くまで読んでほしい。そこまで読まずしてこの作品の芯に触れることはないだろう。
作者さんにつきましては、本当にありがとうございますという気持ちです。3年ほどなろうとカクヨムの作品を読み漁っていますが、過去に読んだ作品の中でも名前を暗記しているのは一握りです。しかし、この作品は間違いなく私の脳に大きな爪痕を残しました。こんなことは言われ慣れているかもしれませんが、自分のペースで投稿頑張ってください。応援しています!
三人の獣を宿す男たち。
ガイとアベル、幼少期に生死の選択を迫られるほどの環境で、生存本能ともとれる獣を出さざるを得ないほどの生き方をしてきた二人。
ガイアケロン、獣を抑え込み、コントロールし、心の平穏を保ち、それは人格者、カリスマを放ち、人々を引き付ける。
かたや、まだ獣に怯え、自らが獣に染まりきるのではと恐れ、そんな自分では愛も叶わないと下碑し、受け入れられない。戦いの中では、獣に頼った闘争心で戦うアベル。戦乱に身を置き、達しきれないアベルにとって、恥じ入り、軽蔑すべき獣の心も、生き残るためにも手放せない。そのジレンマに一人苦しむ。
そして二人に、立ち塞がるズマ。
獣に飲み込まれ人としての姿さえない。
獣を宿す三人、それぞれの心の獣への向き合い方で、様々な人格が形成されている。
先達のガイに出会ったことで、どのようにアベルが成長するのか、どのような変化を見せるのか。
求道者のごとく道を進むイース、ヨルグのような闇に陥る前にアベルは、人としての幸せと愛を伝えられるだろうか。
カチェの女としての、艶めかしくも真っすぐな気持ちは、報われ、熱い心のやり取りを、我々読者に見せてくれるのか。
登場人物達の、関連性が深まっていくなか、これからの展開が楽しみです。
卓越した情景描写、作家独自の比喩表現、登場人物の心奥底をきめ細かく、描きあげ、生きた生々しさ、さえ感じさせる。
若い頃に「トリニティ・ブラッド」「鋼殻のレギオス」や「されど罪人は竜と踊る」など戦闘描写に定評のあるラノベばかり読んでいたせいで、昨今のレベルやスキルなどといった記号で戦闘を描写しようとする作品ばかりで辟易していました。
あの素晴らしい戦闘描写を読み進めていく中の緊迫感というのはもう味わえないと思っていました....が!バトル系ノベルは滅んでいませんでした!
本当は戦闘シーンを抜粋して細かく「ここが素晴らしいのだ!」と声高らかに解説していきたいのですが、それではレビューにはならないので私が素晴らしいと思う要点を数ある中から一つだけ。
この作品には多数を相手取った乱戦が多数描写されるのですが、盆百の判子ノベルとは決定的に違うのは相対する敵情報の描写です。
敵の体系は?特徴は?武器は?強そうなのか?それとも弱そうなのか?こういった情報が綴られることにより読者には主人公が相対している敵が頭の中に浮かんできます。
この情報が主要人物は勿論のこと一般兵まで描写されているのです。それを「されど罪人は竜と踊る」を彷彿とさせる戦闘描写で綴られたならもう頭の中はもう主人公と一心同体です!
バトル系ノベルの沼に君もはまろう!