小説って、ましてやファンタジー小説って、本当に妄想の世界にしかないものだから、何でもできちゃうし書けちゃうんだけど、その中に生きてるのは人。ファンタジー小説のリアルは、人。それがないとただの子どもが書いた設定集にしかならない、と思う。この作品が素晴らしいのは、ストーリーが現実的という意味ではなく、人の生き様がとてつもなくリアルなところかと。稀有です。
ひとり、ひとりのキャラがたっている面白さ。それぞれのキャラの外伝を読んでみたいほど。未読の方、ぜひ一度読んで欲しい。素晴らしき読書体験へ
人の心の根底に隠そうとする欲望がうまく表現されていると思った。際限なく膨らむ渇望と憧れ、そしてそれを自覚して己を俯瞰する主人公の冷めたような理性とがつくる沼のような魅力が癖になる。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(38文字)
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