読んでいるうちに、目頭が熱くなりました。
- ★★★ Excellent!!!
裏社会を生きていた男がセアラーという名の女性と出会い、やがて子供に恵まれ、その誕生を今か今かと待っていたが――というあらすじなのですが、淡々とした語り口の中にも深い感情が込められていて、読んでいるうちに目頭が熱くなってきました。
大切な人を奪われた復讐を果たすために「爪」を振るい続け、やっと仇を見つけたものの、その復讐の先に待っていたものは……。
悲しいと言うにはあまりにも言葉が足りません。
盗みも殺しも躊躇なくやってきた男が、いかにセアラーやそのお腹に宿った子を一途に思っていたか、文章の端々から感じました。
読後、深い余韻に浸っています。
こんなに素晴らしい作品をお読みできて、読者冥利に尽きます。