視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のうち、視覚を徹底的に封じ、他の感覚を少しずつ解放していくことで異性との相性を見ていく一風変わった婚活。
主人公をはじめ、参加者14人が誰とマッチングするのか、そもそもマッチングする人はいるのか、最後までとても楽しく読ませていただきました。

婚活に限らず、私も一度でいいからこんな面白い出会い方を誰かとしてみたいなと思いましたが、こうしてネット上で顔も合わせず皆様の作品をお読みし交流を重ねるのも、GOKAKONほどの濃密さはなくても、疑似体験くらいにはなっているのかなと思いました。

人は出会って3秒で相手の印象を決めてしまうのだと聞いたことがありますが、今回のように視覚情報を封じて他の情報を小出しにしていくことで、その都度相手の印象が変わっていくのも興味深かったです。

スマホやSNSの発達で見た目やスペックが重要視される昨今、視覚や社会的地位に惑わされない、真に内面から自分を見てくれるこうした出会い方は貴重だなと感じました。

他のどこでも見られるものではないユニークな五感婚活、皆様もぜひお楽しみください。

婚活におけるすれ違いをよく見かけます。条件等の情報に囚われてうまくいかない。この物語はその間違った情報で結婚しようとする人に綺麗に代案を出しています。

年収とか、身長とか、家族構成ではなくて、五感に頼ることで正しい判断ができるのではないか。この妙案が丁寧で現実的に暖かく書かれています。

結婚の幸せってなんだろう？本当に見るべきものはなんだろう？そんな疑問に答えつつ、ほっこりする恋愛物語としても読める良作です。

ぜひお読みください。

　婚活イベントというと、どうしても最初に目がいくのはお相手の容姿。しかしヒロシが参加したのは、相手の顔がわからないように行うという少し風変わりなイベントです。
　まずは映画やお酒の好みなど趣味嗜好の質問から。そしていよいよ五感を使っていくという、斜め上の相性探りと見きわめが開始です。
　五感ってどうやって？これがこの作品の面白いところ。聴覚・触覚・嗅覚（！）を使って、見えない相手との相性を探っていくのです。実際の方法はぜひ読んでご確認くださいね。面白いですよ。

　こう書くとイロモノ作品のように見えてしまうかもしれません。しかしヒロシは切実に悩みこのイベントに参加していて、けっこう面倒な質問の回答にも真剣に取り組んだり。素敵な出会いがありますようにと応援したくなります。
　あのエピソードがここで活きてくるんだ！？　なんて伏線もあったりして、運命の人とはイベントのみで結ばれるわけではないんだなとしみじみ思わされたりしました。
　一風変わった婚活イベント、あなたもちょっと覗いてみませんか？

少子化問題を抱える日本において、行政が進める婚活イベントは数あれど、どれもパッとしないイベントばかりだとお嘆きのあなた。

こんな婚活パーティがあれば、きっとあなたとベストマッチできる人に会えるに違いありません。

どんな婚活パーティかって？

それはこの物語を読んで、ご自身で感じて頂くのが宜しいかと。

不思議な臨場感をお楽しみ頂ける事でしょう。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（78文字）

　ここに長々と感想を綴るのもいいですが、先ずは読んでみた方が良いんじゃないでしょうか。と思います。

　長すぎず短すぎないのもそうですが、全く新しい内容で挑戦的なストーリーなのに無駄な部分が一切無く、かつ少々のユーモアを交えたお話だったのでかなり読み易かったです。読後の後味の良さが段違いでした。