休憩 運命の作品との出会い

 まず、私が作家という仕事を知ったのは、高校卒業の直後でした。

 気晴らしに近所の本屋さんに出向くと、当時大人気だった「今日からマ王!」シリーズが並んでいたのです。

 試しに一冊買ってみたらハマり、一年かけて全巻購入しました。

 水洗トイレから異世界に行くのももちろんですが、どんなアイデアも自分の腕次第で物語を広げていけるという可能性を見出し、私の中で目を開けていられないほど眩しい未来を期待するようになりました。

 それから市立図書館でも多ジャンルの作品を借りて読むうちに、最も勉強になった作品と出会いました。

 たしか成人後だったと思います。

 元エンジニアの東野圭吾さん、「秘密」「手紙」「マスカレード・ホテル」「卒業」「百夜行」など。

 文芸とは関係のない仕事から一転してここまで頑張れるのか。私もその一人になりたい! 後述の不純な動機とは別で、純粋に文芸を好きになったのは、彼の作品のおかげです。

 それから、私の執筆活動は本格的に始まります。

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