一枚目 薬剤師
私の母方の祖父は、遺伝の心臓病により九十三歳で亡くなりました。私が中学生になったばかりのことでした。
当然のことですが、このときの私には医学的知識を何一つ備えていませんでした。
田舎の島で、大人の親族で唯一ありのままの私を受け入れてくれた祖父を失ったことで、私は勉強に目覚めました。
高齢の体に優しい薬を開発する研究家になることを目標に。
ですが、当時学業特待生として薬学部に入学するには、近くても福岡県に行かなければならないという状況。
特待で学費を免除しても生活費が賄えないだろうということで、高校から受験資格をもらうことができませんでした。
私は泣く泣く薬剤師の夢というカードを捨てるしかできませんでした。
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